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とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想・推敲再掲『サモンナイトU:X<ユークロス> -界境の異邦人-』 都月景」

 

今回は、過去の読書感想の推敲、再掲として、
最新作『サモンナイトU:X〈ユークロス〉–響界戦争–』(完結巻)
の発売が今月3月18日に決定した
サモンナイトU:X<ユークロス>』の1巻の読書感想を
掲載させていただきます。

 

もともとサモンナイト2からのサモンファンだったので、
以前の同シリーズの小説はすべて読んでいました。

 

主人公をゲーム未登場の小説オリジナルキャラにして、
4から5までの空白の時代を描いたのが本作『U:X』です。

 

そんなU:X第1巻。

 

主人公ミコトくんは
この世界(地球・名もなき世界)で
居場所を見い出せない、異物感を抱いている少年。

 

そんな彼が偶然辿り着いた異世界リィンバウムでの生活を
満喫してしまうわけですが……。

 

かなり今さらなのですが、
やはりサモンナイト異世界モノであり
本作はミコトをメインに据えた観点では異世界モノの作りをした小説です。

 

~2010年~代のラノベやアニメに触れいて自分は、
現実世界でダメダメな主人公が異世界でイイ目を見るというスタイルで
異世界モノがもてはやされている、
みたいに異世界モノのイメージをもっていましたが、
本作を読んでその考えを改めさせられました。

 

異世界モノとは、現実世界で居場所がない少年などの、
逃避であり救い、現実との乖離の象徴として別世界があるというのが、
どうもシリアスな意味合いのようだと、
このU:Xは描いているのが読み取れたからです。

 

異世界ファンタジーの醍醐味は、
現実と折り合いをつけられない主人公の、
(それは自己のアイデンティティーに悩む思春期にはありがちですが)
ここではない場所へのエスケープが本質なのかもしれません。

 

異世界モノのというと『十二国記』くらいしかちゃんと読んでいないので、
全然わかっていない人間の意見ですので、
眉につばつけて聞いておいてください。

 

今この推敲を書きながら思うのは、
なら異物感のあるミコトは最終的に世界に対しての
回答を得るのでしょうけれど、
それも最新作の見所になるのかもしれないということです。

 

そんな物語は序盤、
ミコトくんの異世界リィンバウムでの憩いが描かれ、
その中で現実世界と同じく異世界でも自分の考え方、態度、行動が軋轢を引き起こし、
ミコトくんはそんな自分という現実と向き合い、
やがては世界と己の真実に至る。

 

リアルの疎外感、異物感は自分を周囲と同化したくない自意識の場合もありますが、
本作は実際にはミコトくんの真実に関わってきます。

 

その残酷さは、実はこれまでと同じサモンナイトの持ち味なんですよね。
それがこの1巻目でもしっかり出ていましたので、
これまでゲームシリーズで影も形も見た事もない小説オリジナルキャラがでてきて
困惑したサモンファンもいたとは思うのですが、
ちゃんとサモンナイトだったと言えます。

 

果たして、自らの真実を知ったミコトくんと、
彼を襲撃したシリーズ最初の勇者、ハヤトの今後は……!?

 

というながれで次巻へ。
自分もミコトという小説オリジナルキャラに戸惑い
すぐ手に取れなかった小説でしたが、
読み進むとちゃんとサモンナイトで、
そこはシリーズのシナリオ担当の都月景さんが小説も書かれているので
杞憂だったようです。

 

その最新、完結巻が数年待ちましたがいよいよ発売です。
それについてはまた。

 

ではまた次の本の感想で。