1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想 『やがて君になる』3巻 仲谷鳰」

 

 生徒会劇を行うことに同意した侑は、
劇の台本を任せる友人のこよみを生徒会と燈子と顔合わせすることに。
 友人達に言えない燈子との間のあれこれを抱えた
侑の秘密の女子つきあいが今巻も進行していく。

 

 そんな中で生徒会の副顧問で侑の担任でもある箱崎先生とつきあいのある女性店長や、
彼女と女子つきあいについての悩みを相談する沙弥香や、
沙弥香と侑の微妙な雰囲気への歩み寄りも描かれる。

 そうした日常のなかで侑は燈子のかわいいところというのを少しずつみつけていくが、
それで雨宿りの際に彼女といて楽しいといったときの反応が怖い。
好意をほのめかしてこんな反応する女子を好きとか、侑も大概こじれているとも思う。

 

 本巻は都さん、沙弥香、雨宿り、体育倉庫の御褒美である。
これまでなんでも燈子主導だったところを自分から踏み込むことに、
侑は燈子といるために封じている彼女への好きという感情、
特別をもう自分がもちかけていることを危惧する。
同じ『好き』にならない者同士で繋がり、
一緒にいるために好きにならないと約束し、
なのに胸は高鳴り自分の気持ちを雄弁に語る。

 

これが体育祭の直後の体育倉庫での密着と大人のキスのシーンでの心情なので、
本当に『いけないモノ』を見ている感。
こういう神秘のヴェールが百合モノの味なのか……(宇宙猫)

 

 侑が自分の気持ちに嘘がつけなくなって、
正面からその気持ちと燈子に向きあったとして、どうなるのか? 
生徒会劇を終えたとして燈子自身と、彼女との関係は? 
などこの先も確認したい。

 

ではまた次の本の感想で。