1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想 『やがて君になる』 6巻 仲谷鳰」

 

 始まる生徒会劇。
内容については読んでいただいてということで触れないが、
見所の多い劇だった。

 

沙弥香と燈子の恋人シーンや侑の看護師役など、
本人じゃないはずなのにとても生き生きとしたキャラだった。
叶さんの意地と実力、努力を感じる。

 

劇を見に来た侑の友人の朱里や、燈子の両親の反応なども良い。
タイトルの『君しか知らない』は
前巻で侑が燈子に言ったように、姉に『なろうとしてもがいて懸命だった燈子』
をこそ、皆が見てきたのであり、姉のことは知らない、
知っているのはその燈子だけという意味で、
劇後の拍手はそんな燈子への肯定でもあったといえるかも。
この皆の肯定によって燈子は、
姉になることにこだわることから変わってもいいのだと諒解し、姉の影からようやく脱した。

 

この拍手は読者のモノも含んでいる。

 

 けれど、次は侑の気持ちの問題が浮上。
燈子に変わってほしいと思った、彼女への侑の気持ちをついに口にしてしまうわけだが、
女心は秋の空のように変わるんですね。

 

このシーンは互いに言葉が足りなかったが、
次巻は侑が悩みを抱えるのは確実。
修学旅行が迫るなかどう展開していくか。

 


ではまた次の本の感想で。