1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想『やがて君なる』2巻 仲谷鳰」

 

 女子高生の百合恋愛漫画の2巻。

 

 生徒会に入り燈子を助ける自分の気持ちを、
特別に好きだからではなく 『お人よし』 だからと定義づける侑。
 そういいながら一緒にいる時間は嫌ではなく、好きになりたいとさえ思う。
だが、この好きになりたい、
は好きが分からない自分がその気持ちを実感できるようになりたい、
であり燈子個人を特別に思いたい、と思っているでは今のところない。

 

 燈子もまた、自分に都合の良い理由で侑を好きという言葉でつなぎとめて
一緒にいたいというお互いこじれて結びついている二人が
見ていて却って新鮮というか、こじれぎみの恋だからこそ先が気になる個人的に珍しい作品。

 

 現段階では二人は互いに、自分が寂しいから、
好きや特別という概念を持て余す自分でも一緒にいられる互いと結びつている状態で、
自分のための恋といえる。
これは心の変化によって相手を、
また互いを本当に好きと思える時がくるのか、
それが気になる作品でもある。

 

百合恋愛だと割と初期からカップリングが出来上がっている感じの印象がある気がしていたが、
これは本当に恋愛モノらしく、
結ばれる、もしくは失恋するまでの好きのアンサーへの物語のようで、
その点でもたまにはこういうのも楽しめると感じている。

 

イラスト面では目をつぶりがちな叫んでいるようなキャラの絵が個人的にキュートで気に入っている。

 

ではまた次の本の感想で。