引き合わされた先で沢庵和尚と再会した武蔵に、将軍家剣術師範の話が。
しかし武蔵は開墾の経験で彼の思い描く剣での治政を希望する。
栄達の門が開けるが、しかしこの門をくぐるが本当の栄達か。
小次郎は同じく師範役の小野派一刀流に打ち勝ち、細川藩への士官を決め、
武蔵へ江戸を離れ領藩で決着の時を待つとの文を伊織に託す。
祇園藤次、お甲、宍戸梅軒との決着もあり、
梅軒の鎖鎌、八重垣流の剣理が二刀と同じだと見抜き勝利する場面は武蔵の剣の円熟をみる。
又八と朱美は将軍暗殺の露見によりようやく長いトンネルを抜けた感。
他にも伊織と、盗賊の手伝いをすることになっていた城太郎の邂逅と、
その後の伊織とお通の関係、柳生の後の荒木又右衛門、丑之助との出会い。
しかし豪胆と剣力では丑之助が、
慎重さと賢明さでは伊織が。
これは将来の二人を象徴する描写だったかもしれない。
また、メインの剣客以外にも次の世代の彼らも描かれるあたりに
剣が人と人をつなぐ一つのツールであり価値が大きかったであろう時代を感じさせる。
伊織と旅をする夢想権之助があの母子と出会うなど、色々と縁が繋がる巻だった。
最後は伊織と権之助はどうなるのか。
次はいよいよ最終巻。
ではまた次の本の感想で。