僧正による学校破壊によって他校の設備で授業を受け、留年回避を目指す上条だが、
その移動先の学校には学園都市に入ってきた
《理想送り》 上里翔流も生徒となっていて衝突の気配が。
本作は上条と上里の第2ラウンド。
しかし正直な話、文章がこれ他の人が書いているのか? という違和感を覚えた。
ただ単にスケジュールのせいで推敲の回数が少なかったとも考えられるが
(こういう文章の微妙なまずさはこれまでの禁書シリーズ三十数冊でも2回くらいあったように思う)
速筆の人も第一稿から完成まではこれほどまで雰囲気が違うのか学ばされる。
言わせてもらえば、今回はどうも、
文章のセンスからしてまずい気が節々でしていて、
自分ならこうする、普段の鎌池先生ならこう書いているだろう、
という気が何度もして、読み切るのに苦労した巻だった。
木原唯一が意外に早く上里の前に表れての戦闘、
しかもお株を奪いあわや上里はそのまま脱落か、とも思わされた。
上条にも牙をむく唯一を済んでのところで救った美琴のアレなバージョンは
そういうのが好きな人にはたまらないと思う。自分も好き。
今回は一見敵から思われていた去鳴が実は……というタイプの構成だったが、
肉体を再生できるこの娘はまだ今後も絡んでくると思われる。
ただ、後半は割と良かったが、全体的に 『これは禁書とちょっと違う』
という違和感を抱き続けての読書となった。
続巻では文章や内容もらしさを取り戻していることに期待する。
ではまた次の本の感想で。