1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「今だからこそ、そしてこれまでもそうだったエンタメなどの意義と力について」


今年に入ってしばらくで新型肺炎ウイルスの件で世間は騒然として、
今はむしろ外出の制限に加えて
マスクがないと批判的な声さえあげる人がいて、
転売やもともと安い品の高騰、品薄など
様々な問題でみなさん普段以上に悩みや苦しみがあると思います。
自分もそうです。

 

そんな中、今月の頭にTwitterでバズっていたあるポストに対して、
自分が思ってリプライしたことを今回は改めて書かせていただきます。

 

先方のポストはアニメ映画『サマーウォーズ』の
栄ばあちゃんがみんなに檄を飛ばす勇気の出る言葉のシーンの動画で、
こんな状況だからこそみんなで支え合ったりして踏ん張って行こう、
励まされた、泣けた、
というリプライが数多く寄せられていました。

 

そうしたリプを見ていて、
中にはアンチ的な「自分はそうはあまり感じないな~」
というコメントもあったのですが、
自分はそれを踏まえて思いました。

 

少し前にドイツだったかで芸術やエンタメが人が生きるうえで必要、
だから文化を守る資金援助はして当然、
というニュースがありました。
これが思い出されて、その言葉の意味に合点がいったのです。

 

芸術にアート、それに映画やアニメ、音楽といったエンタメ全般は、
人が生きるうえで直面する現実の困難や辛いことに対して、
単純な息抜きや気分転換以上に、
その人の感性にとって支えとなる『何か』(何らかの言葉や考え方、要素)を
与えてくれるからこそ必要なのだ、と。

 

それは今のような状況に限らず、
これまでのみなさんの日常でも同じだったのだと思います。
仕事や学校のあれこれ、人間関係、納得いかなくてのみ込めないこと、
理不尽な目にあったり、いわれのない批判や攻撃を受けたり、孤立したり、
理解者や友人、恋人がいなくて孤独だったり、
それらが充実している誰かと自らを比較して悲しくなったり、
苛立ったり、不満感を抱いたり、
欲求不満でストレスが溜まって感情がネガティブになったり、

 

現実にはそういう精神的に辛いと感じることがあふれていて、
少し現実が見えるようになるほどに生き辛さを感じるのが
多くの人にあることだと思います。
そんな時に、少しでもその辛さを緩和して、
時にやり過ごし、一時忘れて息抜きにしたり切り替えるきっかけにしたりして、
また現実の自分の生活のために必要なことに向き合う、
そのための力や支えとなるその人にとっての『何か』が、
芸術やアート、エンタメ全般のなかには含まれているのだと思います。

 

『何か』
とは、その人の琴線に触れる言葉や行動だったり、
それは共感を覚える言葉だったり、
こう在りたい、と思える理想像だったり、
こんな姿の人に恥じない自分で在りたい、という思いを起させる姿だったり、
シンプルにがんばろう、と思えることだったり、
不可能や理不尽を乗り越える姿に勇気や希望をもらったり、
嫌なことを吹っ飛ばす爽快感や解放感を見せてもらったり、
泣けることで気持ちが晴れたり、カタルシスを感じたり、
知的興奮を満たされたり、
他にもあるかもしれませんが、
人によってさまざまにあると思います。

 

それを摂取して、自分を含むみんながなんとか辛いことも多い現実を
踏ん張って生きていくことが出来るのだと思います。
芸術やアート、エンタメなどにはそうした力がある。
だから人の生には必要なんだと思います。
今回のポストとリプを眺めていて改めてそう思わされました。

 

ただ、無論、エンタメなど以外でも
生きていて起こる嫌なことや辛いことを忘れることはできると思います。
これは古くの時代からそうですが、
人によっては酒やセックス、ギャンブルやネガティブで法に触れることなどなどでしょう。

 

ただ、これらはやや不健康な面もある息抜きなので、
場合によってはその人の生を様々害する面もあり、
だからこそ芸術やエンタメがより生きるうえでのプラスになるともいえるのだと思います。

 

そんなところからも人の価値観はそれぞれだといえます。
だからこのポストの『サマーウォーズ』にしてもすべての人がこの作品に
支えとなる何かを見出せるわけではなく、
だからアンチ意見や
「自分はこの作品は大して感動しない」という懐疑的意見が生じているのだと思います。

 

けど、そういう人にも、そういう人なりの支えは何か、必ずあるはずだとも思います。
そういう人は、今の場合は『サマーウォーズ』のこの動画のシーンですが、
そうした人の支えに共感できないことで批判や嫌味や毒を吐かず、
自分なりの支えを大切にするだけでいいと思います。

 

自分の好むモノに差し当たって共感がなくても、大多数と一緒じゃなくても、
それと比較してどうこうネガティブに思ったとしても、
あなたの見出すその価値はあなたと同じ価値観で見る人には揺るぎないと思います。

 

そもそもあなたの大切なモノは、大切と思う人がいるから生まれていると思います。
大切と思う人がいなかったら、そもそも生みだそうとする人もいないでしょう。
わざわざ自分の大切じゃない、普遍性から遠いと思えるモノを生み出す人はいないでしょうから。
エンタメって人が楽しむために作るモノですから、
そういう人の嗜好、好みの面が含まれてあって、
どこかに大切と思う人がい続けるから、そのエンタメなども生み出され続けるのだと思います。

 

だから、自分のなかの支えに胸を張って、それを大切にするだけで良いのだと思います。

芸術やアート、エンタメといった娯楽が人の生には必要である、
という言葉と結びついたこのポストは、
そんなみんな何かしら支えをもって生きているものなのだな、
という理解にも至りました。

 

少数派かもしれませんが、中には自分はそれほど支えを必要とせず
自分の力を信じ恃みとするのは自分のみ、
という強い方もいると思います。
けど、一般的にはそうじゃない人が多いのが現実で、
シビアに現実を見渡すと人間の大半は弱い人です。ほぼみんなどこかが弱い人たちです。
(弱い人間と言われると価値がさがるので反感を持つ人の気持ちも分かりますが)
娯楽はそういう大多数の人の何らかの支えとして、
これまでの歴史でも、最近までの平時でも、
そして今の状況でも大切な存在なのだと思います。

 

心にきらめく星のような言葉や姿があれば、
それを支えにがんばれる。踏ん張れる。
それがフィクションの世界からの引用でも、
現実のこれまで接した誰かや何かの言葉でも。
人ってそういう面は確かにあるのだと思います。

 

何の実績もなく立場のない自分が言うのもなんですが、
しかし言わせてもらえるのならば、だからみなさん、
今の状況でも、
そしてこの危急の事態が収束したのちも、
辛いときは一旦おちついて気分を変える感覚で、
自分の支えになる好きなエンタメや音楽、芸術やアートなどに触れてみてください。
そして、少しでも良い自分の先のためになる行動を、
少しずつでも踏ん張ってしていきましょう。

 

病気になろうがなるまいが、いずれみんないつかは亡くなります。
だからこそ、辛い現実にへこたれないで踏ん張ったすえに
戦いきったと満足して仕舞にできるように、そう在りたいと思いますし、
どこかの誰かがそうやってその人の人生を強く生きていくことを願います。

 

芸術やアート、エンタメなどがその支えになるなら、
こんな素晴らしいことはありません。
サマーウォーズ』や他の多くの人気作、
それにみなさんのそれぞれの心にある『これが大好きだ!』という作品たち。
その作品たちのお蔭でどこかの誰かやあなた方の生が切り開かれ、
そうした先であなたが生んだ言動で誰かが救われたり、幸せになることもありうるのですから。

 

みんなの、あなたの好きなエンタメは無駄じゃあない。
そんな素晴らしい力があるのだと、胸を張るべき文化と力なのだと、
そんなことを思わされたのでした。

 

このポストをしてくださった @fhana_ISSY さんに感謝を。
辛いときは好きなモノを。
そういえば、故人の祖父も
「好きなことすりゃあいい」
と自分の闘病リハビリ期間にそんなことを言ってくれていたのを思いだしました。
……感謝を。

 

ではでは~。