京都アニメーションでアニメ化、映画化もされている
京都北宇治高校の吹奏楽部を描いた小説。
全国大会で金賞を獲ることを目標に練習に年月を費やしてきたその物語も
主人公の黄前久美子は最高学年の三年生。最後の大会へ向けた日々が描かれる。
部は久美子が部長となり新体制で運営される。
その忙しさに追われながら先輩たちのやっていたことのすごさを知り、
新たな部員たちとの交流や、例年のフェス、京都大会への練習に取り組んで行く。
そして三年生ということもあり進路についても考えなければいけないが、そこは久美子である。
例年通りのながれながら、今年もやはり色々問題を抱えて進行していく。
個性ある新入生の引き起こす問題、
超強豪校からの転入生で実力も容姿も性格も良いというライバルの出現、
新オーディション体制などなど、
加えて部長として部の運営と部員の問題の解決にも手をつくし、
久美子はこれまでにない練習以外の面でも忙しい日々を過ごしている。
正直、大会の練習が本格的に始まるくらいまで彼女が練習しているシーンが描かれていないことに、
色々大丈夫なのか? と心配になった。
本作は久美子、秀一、麗奈のメイン組の性格的な変化も描かれている。
以前、緑が久美子のことを動物に例えると 『たぬき』 と言っていたが、
まさにそれな久美子が人心掌握の人たらしとしてのスキルを発揮していくのは、
末はどうなるんだこの子は? と面白かったです。
京都大会の結果が出て、次へ。
けれど三年生の時間が進むごとに迫る卒業とその先への気配が随所に描かれている。
大会の行方と、久美子たちの今後は。後編を楽しませてもらう。
ではまた次の本で。