1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「コンクールに向けて。『四月は君の嘘』第6話感想・改稿」

 

アニメ『四月は君の嘘』の第6話の感想、改稿になります。
おつきあいくださると幸いです。

 

前話でかをりに触発されて、
自身も川に飛び込んだ公生。

 

かをりが示した音楽によって訪れる忘れられない瞬間のために、
その憧れる瞬間へと飛び込むことを選び始めた公生ですが、
まずは川でびしょぬれになったあと始末が必要です。
ここで公生は自宅にかをりを連れてきてあれこれ対処にてんやわんやになるのですが、

 

衣類を乾かす間にとあてがわれた公生のTシャツを着て
「以外と大きいんだ」とにんまりするかをりちゃんというのは
それがし萌えポイントでござる。

 

有馬宅を探検するかをりは、
見つけたピアノ室でもジェットコースターぶりを発揮。

 

(原作での部屋を前にして
「オーラが出てる!女のカン」というセリフがカットされていて、
どうしてピアノ部屋を見つけたのかの必然性が弱いですが、
たまたま開いた部屋がピアノ部屋だったとおおらかに解釈しましょう)

 

ピアノには本など様々なモノと埃が降り積もっていて、
かをりはそれを思いっきり薙ぎ払い、
ピアノに積もった埃を拭っていく。
 「ごめんね」「ごめんね」
とかをりちゃんは泣きながらピアノに、楽器に対して謝ります。

 

このシーンは、彼女の音楽への思い入れや愛を感じさせますが、
同時に
公生がピアノを大切に思いながら距離をおいて大切な存在にこんなことをしている、
公生自身のピアノへの言葉を代弁しているようにも思えます。

 

かをりは彼自身の演奏への態度と、このピアノの状態を見て、
ピアノを愛しく想いながらも避けてきた彼を思って泣いたのかもしれません。
ジェットコースターのような気性でも、本当は優しい娘や……。

 

公生のこのありさまを思うと、
夕暮れ時に公生へと促したピアノと向き合ってコンクールに出て、
という要求がいかに重く、
公生にとって辛い、苦しみを負わせることにもなると感じます。
だからかをりがこの後日に、
公生が積もらせた埃を払い、コンクールに出ることを強いたことを自分は正しかったのか?
と謝って涙する訳ですね。

 

かをりが公生にコンクールに出て欲しいわけ。
ダメダメな友人Aを放っておけないのか?
そこには彼女なりの意図があるのでしょうが、
けれど苦しむ公生を見て自分は正しいのだろうか?
とかをり自身も苦しむあたり、
この時点ではなんでそこまでして公生にまたピアノを弾かせたいの?
と視聴者は少し不審にも思うかもしれません。

 

一応、伴奏の前に雨のバスのなかでの椿との会話で、
公生が弾けなくなって以来、時間が止まっているということを聞いて、
かをりとしても彼のことが気になってなんとかしてやりたい、
と思ってのこととも受け取れますね。

 

しかし、実際のところ紹介してもらって付き合う男の子のその友人に、
ここまでがっつりとやるものでしょうか?
というどこか妙な感じがかをりの言動にはあります。
この辺は、よくよく考えるとなんらかの『嘘』の気配がありますね。

 

しかし、人のわだかまりをなんとかするのって難しい課題ですね。
けれど、捕らわれて動けない公生にとっては、
きっとかをりのような嵐の如き存在が良い影響を与えることになるかもしれません。

 

そんな公生とかをりがいる部屋の窓の向こう。
そこにはお隣の椿ちゃん。
かをりが着る公生の服、濡れた髪……、
椿のブチ切れヴァイオレンスが展開します。

 

今回はかをりに促されてピアノのコンクールに出ることになった公生が、
コンクールに向けて練習を始めて、
椿と渡は中学最後の体育大会に挑みます。
それぞれの一生懸命。
ここで公生は、
「またお前と二人ぼっちか」
とピアノにつぶやきますが、
この一言に公生のピアノと再び向き合うという確かな決意がうかがえます。

 

けれど、ブランクのあるうえに音が聴こえない公生の演奏は
かなりひどいモノであり、
公生自身もこれはコンクールにでるのを止めた方がいいのでは、
と弱気になりますが、かをりがさまざまな言葉で勇気づけます。
スヌーピー。良いですね。

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 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

 

とにかくネガティブ気味な公生の尻を叩いて調子を乗せる。
かをりちゃんのようなこういう娘と一緒にいたら、
ぐちぐち言ってごちゃごちゃ拘る自分をかなぐり捨てて前に進む力を得られそうで、
かをりちゃんはあげまんですね、きっと。とか思っちゃいます。

 

音楽室で練習中に居眠りするかをりちゃんに公生は思わず
「天使みたいだ……」(大人しくしてれば)

と洩らして……もう青春かよ青春ですね!(笑)

 

ついでだから唇のひとつもこっそり奪ってしまえ!
などとよこしまな考えを抱いて視聴してしまいます(ごめんなさい

 

かをりと椿の一緒の帰り道。
公生を誰よりも案じていた椿は音楽と格闘して苦しむ公生を心配しますが、
かをりは演奏者として必要なことだと説く。

 

この時、『私たち』演奏者は、
と言われ椿のなかで公生が遠くなっているような、
疎外感とも寂しさともいえるモノを感じて、
少し前から抱く公生の変化とそれを促しているかをりのへの不満が少しずつ募ります。

 

まるでそれを紛らわすかのように、
椿は以前から交際を申し込んできていた斎藤先輩に応じるのでした。

 

それだけ書くと、椿なんてやつだ!という印象を持たれそうですが……
いや、実際この斎藤先輩との付き合いはあまり良いことにはならないでしょう。
決めた理由からしてもねえ……(´ヘ`;)ウーム…
椿なりの乙女心なんでしょうけど……これもまた青春か……。
間違って気づくこともある(自分のこの再稿記事にしても)

 

椿の言葉で公生が苦しんでいるか気になったはかをりは学校へ。
そこで夜になってもまだ 練習している公生と会話します。

 

ここでかをりは公生を無理矢理にでも再びピアノに向き直らせたことを
涙して謝るのですが、公生は笑って返すんですね。

 

「挑戦するのも生み出すのも苦しいよ。
でも、充実している」

「だから、ありがとう」
 

かをりへの公生の感謝が美しいです。
夜の月が見まもる音楽室、
二人の出逢いが祝福されているかのようでもあり、
このシーンがとても幸せに感じられて、美しく好きなシーンですね。 

 

公生とかをり。
この二人が出会う困難もそこで流れる涙も、微笑みも、
いつか素晴らしい音楽に結びついて欲しいですね。
月は死相を育む、と何かの言葉でありましたが、
彼らの幸福を望まずにはいられないです……。

 

地区総体。ソフトボールの試合。

 

椿は観客に公生と、その隣にかをりがいることで心が乱れ、
試合は敗退という結果に。

試合中の椿の公生に対しての不安と焦燥が察せられます。
このエピソードは椿やかをりといったヒロインの心情が揺れ動きが印象的です。
 

けれど帰り道での公生とのやり取りに、椿は自分と公生の間にあるつながりを確かに感じる。

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 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

公生の背中で泣く椿は、
試合の結果だけではない、
自分が大切にしたいモノへの不安もあり、
こうして絆を感じられる瞬間の永遠を願わずにはいられないのでしょう。

 

……椿ちゃん、体育会系ですが意外と乙女やわぁ。

 

そしてそして、
せまるコンクールに奴らが動き出す!!

 

かつての公生を知り、因縁を持つ『奴ら』

 

金髪パンクヘアの相座武士。
そして黒髪ロングの強気美少女の井川絵見。

 

「今度こそギタギタにぶちのめしてやるわッ」

 

絵見役の声優さんは早見沙織さん、
武士役は梶裕貴さんと、
演者の面でも強力な新キャラの登場で始まるコンクール。
次回はまだ公生の練習風景のようですが、
音が聴こえないという症状に対しての答えは出るのか。
公生の抱える問題にスポットが当たる回になりそうです。

 

ではまた次の感想記事で~。