全国大会での金賞を目指し更に練習に励む北宇治吹部。
けれど関西大会でのオーディション結果や全国へ向けての練習の過熱で
部内は険悪さを帯びる。
部長としてそれを治め、
吹部に入って良かったと思ってもらいたい久美子部長の苦悩は増す一方。
自分の演奏、滝への不信、真由や求といった部員への対処、
大会の結果、そして進学。
多くの問題を抱えるだけに、
これらに対してのうまい回答を導けるようになった時には
久美子も人として大きく成長しているだろうことが読んでいて楽しみに感じた。
進学の悩みに関しては葉月がいい仕事をしていた。
他にも葉月の言葉が久美子を救う場面はあったし、
そもそも彼女が秀一を好きにならなければ
久美子は自分の想いを自覚しなかったかもしれないことを思うと、
葉月は地味に久美子を何度も良い方向に救っている。
さすが低音パートは縁の下の力持ち。
久美子がぎりぎりまで悩んであすか先輩に相談したのは良かった。
すべて自分で完璧に出来なくてもいい。
自分の出来る限りをやって人に頼るのもまた成長。
滝もまた完璧な人間ではなく、
自分の出来うるベストで生徒がより良い結果を出せるように努めている。
それを痛感できた久美子はよい大人になるだろう。
そのうえでの全国大会での結果。
おめでとう。最高の気分のフィナーレとなった。
梓の立華編も読んでみようと思う。
ではまた次の本の感想で。