1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「7月の読書感想まとめ・涙の雫と漫画術目録~the Beautiful World~」

はい、そんなわけで、読書感想の月一まとめも7月分です。

今月もう下旬なのに、まだ先月分を更新していなかったですね(焦

さくっと、行きましょう。

 

7月中に読んだ趣味本。

 

キノの旅 15        時雨沢恵一

ガンダムW フローズン・ティアドロップ 9              隅沢克之

とある魔術の禁書目録 13  鎌池和馬

荒木飛呂彦の漫画術(再読)  荒木飛呂彦

 

漫画術をじっくり読んでいたとかで、

少し進度が遅かった印象があったのですが、

それでも一応週1冊のペースで読めていますね。

 

では、感想を参りましょう。

 

フォト再登場巻。

 

 

 

キノシリーズも地味に読み続けて15冊目ですね。

熊の件で師匠とキノの旅事情がクロッシングしたりしつつ、

かつてキノがエゴから同行を拒否した少女

(これとは別モノなんでしたっけ?うろ覚え)

後のフォトが再登場しましたね。

 

シビアなキノ世界にしては、

あの行商人から解放された後は彼女はそれほど不幸にもあわないあたり、

フォトという4人目の主人公と思しきキャラでは、

これまでのキノ、シズ、師匠とは

違うことを背負わせたい感じが漂ってきます。

 

しかし、困難にあわないエンタメ小説の主人公はいないので、

フォトが今後も登場するのならば

なにがしかの事件が巻き起こることでしょう。

 

願わくば、あの少女は幸せに暮らして欲しい気がしますが……

はてさて。

 

 

ラストのヒイロの展開に驚きました。

 

 

 

FT9巻です。

内容は、ミリアルドの帰還からの本決戦の開始です。

ミルが五飛の戦闘スタイルに似ている、

と以前言われていましたが、

これは彼の師匠が五飛だったからでした。

五飛もちゃっかり後継(技術的な)を作っていたんですね。

 

しかし、なんというか、

火星での戦いが終盤(最終巻まであと4冊)

となってきているのですが、

思うに火星ではそれほど変遷というか、

イベントの数が少なかった印象がありながらの終盤なんですよね。

 

まあ、過去と現在が交錯している二重構造だけど、

アニメに換算すると1、2クールの活動をしていたことに

なるんでしょうか?

どうにも、もうラスト近く?という違和感があります。

自分だけでしょうか?

 

しかし、そんな状況に相応しい急展開が。

ヒイロが任務中に撃たれて、

治療のせいで記憶が一部失われて、さて次巻。

火星でのガンダムチームの闘いはどうなる?

という展開で、さすがに驚きました。

 

不動のスペシャリストのヒイロが揺らぐだと!?と。

 

さて、10巻以降はどうなっていくのやら。

 

 

一方さんの内面の変化も面白い。

 

 

 

とある13巻。

12巻からの、

前方のヴェントと、猟犬部隊との交戦の続きですね。

 

今巻で目を瞠ったのは、木原に辿り着くまでの

一方さんの内面の変化ですね。

 

元々賢い子だった彼ですが(最強能力者≒学園都市の学生の最優秀者)

能力の使用制限のある中で、

いかに敵勢に心理的圧迫を与えるかをリアルタイムで思考し、導きだし、

過去からの残虐性を利用し、それを実行する。

 

彼としては、ラストオーダーを含む弱い人たちを

食い物にする暴力は本当は厭なのですが、

もうラストオーダーちゃんを奪還して守るという目的に

行動の理念をしぼって、どんどんアライメント悪になっちゃって行ってます。

 

それくらいしないと、学園都市の闇が

甘い考えや行動でどうにかなるようなモノじゃないんですね。

よくよく理解出来ているからこその割り切りというか

振り切れというかが、彼の戦いをえげつなくしています。

 

しまいにゃビルをブッ飛ばして攻撃するくらい

園都市側にご立腹な一方さん。

 

上条さんとの間接的な共闘を経て、

どうにか木原を撃退し、ラストオーダーを守れたわけですが、

その際に発動した黒い翼は、一体全体なんでしょうか。

 

インデックスさんが絡んでいるから魔術的要素も考えられますが、

でも科学的超能力者は魔術を使うと躰にダメージを被る筈ですし……。

 

はてさて。

作品が科学対魔術の世界戦争の様相を呈いてきたなか、

今後の一方さんにも注目ですね。

 

 

再読して理解が深まる創作技法書。

 

 

 

さて、昨年に購入して一度読了している

荒木先生のマンガ技法書の再読です。

 

今回は、キャラクター作りの中でも、

悪役の作り方の項目で少し思ったことをピックアップして

書いておきます。

 

まず、1部でディオはジョジョファンに熱狂的なファンがいるんですが、

そのディオが人の倫理観に悖る行為を平然とやってのけるのに、

読者はある種カタルシスを感じるからこそ

ディオの熱狂的ファンがいるのでは、という記述があります。

 

これを読むに、

本当にディオって巧い悪役で

悪の救世主でカリスマだと感じさせられるのです。

 

王道の主人公、ヒーローというのは、

仁、すなわち人のこころ、

もっというと、人への思いやりを以って

弱い人や大切な人たちを助ける者をいうようです。

 

そして、王道の悪役の基本的な要件は、

普通の人が普段抑えていることを

(例えば弱い者をいたぶったり、人を利用して勝ち誇ったり)

平気のへいさでやってのけることなんです。

 

それは、悪が仁に反し、倫理に悖るということです。

ディオは根源的にも環境的にも、

ジョナサンの善性に対して解かり易い悪だということがわかります。

 

ここに純然たる正義と悪、光と闇の対立の図式が生じるわけです。

これがディオが悪役として巧く出来ているということですが、

他にも、悪役がうけている訳は、

前述のようにディオが本来、

人が倫理の抑制があって出来ないことを平然とやってのけることに、

読者がカタルシスを感じるからなのだということです。

 

読者に自然とそういった受け取り方をさせて、共感や親しみを感じさせる……

そうした悪役が、巧い悪役なのだと分かったわけです。

 

そして、小悪党がまだ倫理の片鱗で躊躇うことも、

ディオは平然とやってのけるスガタに、

他の悪役は自らの悪事を肯定されている心持ちになり、

自分よりも尚悪に躊躇のない存在に

自らを赦されているという気持ちになる。

それが救われた思いなのでしょう、凡百の悪役たちは。

 

だからこそ、ディオは悪の救世主でカリスマでもある。

 

王道の悪役の作り込み……その必然性に震えるッ!!

 

そして、王道の黄金律というのが初読み時よりもわかる、わかるぞ!

ってカンジで最高にハイです。

 

王道の黄金律とは、

善性のヒーローと対立する悪の構図です。

ヒーローが人を助け、悪が仁に悖ることを誅する構図だといえます。

 

なるほど、この理屈だと確かにジョジョは王道マンガだわ、

と思い至ります。

そしてデスノが邪道な訳もこの王道の黄金律的に説明できる。

わかる、わかるぞッ!

 

という感じの再読書でありました。

これを少しでも創作の血肉にしていきたいです。

 

 

以上、今月の読書感想でした。

 

さて、8月分の小説感想はなるべく早く更新したいですね。

今月、暑くてあんまり読んでいないのですが……。

 

これからとしては、

サモンナイトシリーズの小説を読んで行きたいとも

考えているじゅーしーでした。

 

ではでは。