1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想を再開。1月の趣味読書感想まとめ~桜風剣豪アウトプット目録」

というあれで、2年ほど空きましたが、

今年は読書感想をまた書いてみようと思います。

 

というのも、アウトプットの大切さを再確認し、

要約の練習にももう少し積極的になってみようと思った次第です。

それに基本、以前もそうでしたが文章の練習でもありますし。

 

では、参りましょう。

今月、1月に読んだ活字本。

 

桜風堂ものがたり 村山早紀

剣豪夜話     津本陽

アウトプット大全 樺沢紫苑

新約とある魔術の禁書目録 11 鎌池和馬

 

ちなみに、この感想は読書感想サイト、

読書メーターに投稿した文章の、

当初書いた長文ヴァージョンです。

 

 

桜風堂ものがたり 村山早紀

 

 

 

 書店員の青年、一整が主人公の物語。

 内容も書店仕事に関する日常を追って行く。

 だが、元々不幸な過去を持っていた彼に、書店員として災いが降りかかる。

 そこから、彼が本を通じて交流をしていた人々と、

彼が書店員として売ろうと思っていた名作を通じて、

その人生に温かな日常が訪れる……

 作者もあとがきで記していますが、

本来ならこんな都合よくは運ばないだろう、

本当におだやかに彼は失っていたモノやそれに代わる新しい繋がりを得て行く。

 これは、本に支えられ生きてきた一整が、

真摯に本を愛し携わってきたからこそ起きたある必然であり、

例え田舎で目立つことなく素朴な一個の人間であっても、

情熱を傾ければ何かに繋がるのこともあるので、

腐らず希望をもっていってくださいという祈りの物語に感じました。

 

 

剣豪夜話 津本陽

 

 

 様々な歴史上の剣客、剣豪、武士の剣技を、

作者の人生で刀を交えた人々や教えを受けた方たちと照らし合わせて綴られた逸話集。

 現代はだいぶマイルドになったが、

戦前戦中は暴力によって人を従える風潮が色濃かったようだ。

武力の武家社会では尚更だろうと思わされる。

 そのような武人たちの中にあって、

人を圧倒的な技で制圧できる佐川先生のような技は、

心ない人間に安易に広く伝えてしまうと、

世が暴力によって乱されるというおこころがあり、

秘して伝えられなかったとも受け取れた。

 現代では、剣に代わり言葉という武器で人を制圧する人間が多い。

人はそういう弱さを持っている。

 だからこそ、武の修練を積むことによって身と心を鍛え、

他者を斬り伏せるのみではない精神の真の強さを、

剣豪たちは欲したのではないか。

 それはときに、武士としての誇りや、

自らの死に臨む覚悟、

大いなる壁への懼れに打ち克つ姿となって顕れていた。

剣豪は、武士は、いや、昔の強い日本人たちは、

自らの弱さを知りそれを認め乗り越える意味でも武を修めたのだろうと思う。

 その技と心を磨かれ、

多くの武人たちを描いた故津本先生に、大いなる感謝を。

 晩年まで振われたその刀には、

先生の人生で刀を交わした人々の俤が乗っている。

それは、一人の技は決して一人で完結する訳ではない、

どこにでもいる小さな人間の振るう剣が人間の心を鍛え高め、

それが誰かに繋がって行くという人間の連なりそのもの。

 先生の剣の人生もまた、

この本というカタチでどこかの誰かの剣や心に生きていくことだろう。

それは、とても幸せなことだ。剣に価値あり。

 

 

アウトプット大全 樺沢紫苑

 

 多くの人が学生生活や社会生活、日常で抱えるちょっとした悩み。

 うまく言いたいことが伝えられな。コミュニケーションが拙い。

 思ったことをうまく文章に出来ない。アイデアを出すのに苦労する。

 思うように決めたことを実行出来ない。

 継続が難しい。始めること、計画すること、時間管理など。

 そうした 『話す』 『書く』 『行う』 の効果的な対処法を紹介。

 個人的に、自己紹介の方法、

検索よりも適切な引用を探せる専門的なツールの紹介、

目標の達成しやすい立て方などがこれは結構良い、

と思えるメソッドでした。

時々見返して行こうと思える本。

 

 

新約とある魔術の禁書目録 11巻 鎌池和馬

 

 

 グレムリンとの闘争が解決し、

それからの上条さんが描かれていく……

と思っていたら、

これまでちょこちょこ登場していたがどういう人物かははっきり描かれなかった

(コミック超電磁砲は未読)、第五位のレベル5食蜂操祈がメインの巻。

 正直な彼女の印象としては、

美琴とライバル関係でかつ精神系の能力者ということで、

かなり歪んだキャラを想像していました。

しかし、本作を読んでその印象は大きく覆された。

 食蜂さん、上条さんに通じる真っ直ぐさと、

そして何より乙女だ。

容姿も相まって好きなキャラの一人になった (チョロイ)

 ストーリーは食蜂の過去の記憶の齟齬から生じた謎を追っていく。

本巻、その謎を追うのも何転もして盛りあげてくるし、

それ以外にも韻を踏む演出が巧みでもあり、

とあるシリーズはもう30冊以上読んできたがベスト3に入る素晴らしい構成だった。

 久しぶりにカタカナルビが多いな~、

と思ったら、それは末文で生きてくる。

これが今後の展開を予感させる。

本巻はそういう意味で、次の大きなシリーズへの繋ぎだったと言える。

 グレムリン闘争の影で自らの準備を進めていたらしい科学サイドの長、

アレイスターはどう出てくるか。次こそ新展開。

 

 

番外感想  ジョジョの奇妙な冒険 part7 スティール・ボール・ラン 15巻

 

 

 大陸横断レースと並行してのとある聖人の遺体の争奪戦は続く。

 ジャイロとジョニィを襲ったスタンド、シビル・ウォーは、

人が犯した罪と、その罪悪感から過去に置き去りにしてきたモノたちを突き付ける。

 7部の敵スタンド能力はやや複雑。

そしてそれが却って人間の精神の弱さとの対峙の試練となってきた。

 ジョニィは過去の罪悪感を撃つのに迷った。

そして、迷いを超えて撃ったのは自分。

漆黒の心で殺すのは、

己の我ばかりで隣人を省みず傷つけ負ってしまった罪悪感の元である、

弱い自分そのモノだったのかもしれない。

 しかし、アクセル・RОとの決着は意外なカタチに……。

 レースの残り日程はあと五日。

遺体の争奪戦も大詰め。

鈍足で読んでいたが、いい加減読破していこう。

 

 

そんなわけで、1月の趣味で読書した本とその感想でした。

では、また来月……やることは多いが、

油断せず、あとはまあ楽しんで気楽に読んで行こう~。