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とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「読書感想 『ひまわりさん』 11巻 菅野マナミ」


 女子高生、風祭まつりの学校の前にある古い本屋さん。
そのクールで眼鏡で黒髪ロングな女店長がひまわりさんです。
憧れる格好良い女性のひまわりさんに逢いに、
まつりは足繁くひまわり書房に通います。

 

 まつりの受験を前に冬がくる本巻。
年末のクリスマスと年越しのひまわりさんとまつり達が描かれます。

 

 まつりがひまわりさんを好きになった理由の話では、
雪が降ってくる描写がしんしんと静かに積もっていく互いの想いを感じさせて素敵ですね。

 

 奈々子とみなみちゃんの仲の良さが窺えたり、
都さんとみなみちゃんのついにきた邂逅は個人的に至福の巻となりました。
しかし小林さん、あんな人だったのか……
これは都さんとの学生時代のエピソードとか面白そうですね (笑)

 

 他にもあやめさんとバイト男子 (ですよね? ここからまさか女子でしたとかないですよね?) 
の尚くんとの関係性も描かれました。

 

尚くんのプロになるには、については考えさせられます。うーん……。

 

 バイトくん登場から最近になって調べて知ったのですが、
花菖蒲(はなしょうぶ)と菖蒲(あやめ)が字も同じで、
同じアヤメ属の仲間で、極めて近い関係、
あやめは「書付花」と呼ばれていたそうで、
そのあやめさんが本屋の店長の親友というのが素敵です。

 

 まつりの高校卒業に向けて物語がまとめに入ってきていることもあるせいか、
なんだかまつりとひまわりさんのひとつの物語、
本が完成されていくような雰囲気を感じています。

 

 本巻も見所の沢山詰まった巻でした。
おまけ漫画は相変わらずいい味出していますし、
数年前の読者サービスの年賀状の着物ひまわりさんの再来が装丁にあったり、
ぐらーんと居眠りするかわいいひまわりさんも良かったです。

 

けど個人的にヒットなのは雪かきをするひまわりさん
コートでよいしょ、もなのですが、
吐く息で眼鏡が曇っている描き方をされているのが素晴らしい。

 

菅野先生は花火を見る女子ズの目の描き方や
師匠宅で珈琲を飲むときなど細かい点でいい演出をされていて、
この雪かきもそれを感じた点でした。

 

年明けて卒業まで、その先に……
どんなまつりとひまわりさんの物語が紡がれるのか、次巻も楽しみです。

 


ではまた次の本の感想で。