1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「『四月は君の嘘』追走!詳細設定・伏線考察Coda1」

先日、無事に、と言うにはあまりにも、

哀しくて切なくて、

しかし穏やかな春風のような感慨を

公生と視聴者に与えて最終回を迎えたアニメ、

四月は君の嘘

 

四月は100-1

 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

イシグロキョウヘイ監督や、視聴者の意見としてもあるように、

この作品は、一度結末と、『四月の嘘』について知ったうえで、

再度1話から視直すことで、

新たな、そして様々な発見に溢れていることが分かります。

 

かくいうとーしろさんも、

原作最終話を読んだうえで、

アニメ最終回直前のニコ生連夜の一挙放送を視聴していて、

大変多くのことに気付かされました。

 

今回の記事は、

最終回までの当ブログの記事にも見られたように、

この作品に隠された、

 

創作的な意味合いが強い、

設定』の理由、

 

張り巡らされた

伏線』がどのようなモノだったか、

 

などを、

じゅーしーが気付いた限りではありますが、

列挙し、書き記します。

そうすることで、君嘘を愛するあなたの、

本作への更なる理解の一助としたいとなれば、

そうなれば幸いです。

 

では、行っけぇ~!∠( 'ω')/

 

 

 

 

 

 

 

1.君だよ、黄身なんだよ!

 

1クール目の素晴らしいOPテーマ曲、

『光るなら』ですが、

印象的な歌詞が、

公生とかをりの『想い』を載せたようなフレーズ、

 

「君だよ、君なんだよ!」

 

これですが、

これはニコ生などのコメントを見ていると、

割と早い段階から

 

君=黄身

 

という読みがされています。

 

実はこれはあながちピントのずれたことを

言っていた訳ではなく、

 

公生がタマゴサンドを好き、

 

ということに掛けてあるんですね。

新川先生、タマゴサンドとモーモー牛乳押し。

 

2.なぜ、タマゴサンドなのか。

 

率直に言って、第19話のコンクール予選の待ち時間、

公生と絵見と、加えて武士が並んで

タマゴサンドを食べていたことが、

それを顕著に語っています。

 

タマゴサンドは『黄身』を加工して挟んだ食べ物です。

 

これは、公生=君

 

が、絵見や武士や、

またかをりも椿も渡も、他にも多くの人たちに

挟まれている……

囲まれて、支えられていることのメタファーであると考えられます。

 

タマゴサンドが、

21話の公生の『支えられている』とうことの

気付きの伏線にもなっていたと、

言って言えなくもないのです。

 

公生がタマゴサンドを好きな理由は、

創作的には、彼がそうなるべき人間であるから、

といった処なのかもしれませんね。

 

3.かをりがお見舞いにねだった『カヌレ』とは。

 

食べ物繋がりで、次はかをちゃんが食べたがった

カヌレですが、

 

これはWikiによると、

カヌレはフランスのボルドー女子修道院

古くから作られていたお菓子だそうです。

 

蜜蝋を入れて、カヌレ型という小さな型で焼いて作る。

 

ちなみに『カヌレ』の言葉の意味は『溝のついた』だそうです。

 

これだけでも、病気が公生とかをりを別っているように

感じますが、

実はこのカヌレにはもう一つ特徴があって、

 

フランス・ボルドーではワインの澱を取り除くため、

鶏卵の卵白を使用していたそうです。

そのため大量の卵黄が余り、

カヌレはその利用法として考え出されたものだという。

 

ここでも、

君=黄身 押しなんですね。

 

カヌレが好き=君が好き、公生が好き、

 

というニュアンスなのかもしれませんね。

どんだけ黄身押しやねん、いう。

 

ちなみに、当ブログでのカヌレ食べてみました記事

⇒「カヌレ・ド・ボルドーを食べてみました♪」

 

 

 

4.君が好きです。過去から四月の出逢いから。

 

ここで、本作の大きな伏線にして、

物語の表題でもある、根幹といえる設定。

 

最終回でかをりからの手紙で明かされた、

公生が好きであるという、かをりの本音。

 

これについて触れたいと思います。

お誂え向きに、丁度4番ですし、

四月の嘘について触れるのも一興かと。

 

……まず、かをりが公生への気持ちを隠して、

渡を好きといっていながらも、

彼女は随所で、公生を想う行動を採っていますよね。

 

からしてみると、「そうだったんだな」

と思うシーンは本当に多いです。

 

彼女の嘘の正体。

それがありありと顕れている行動を、

思いつく限りで、順列で挙げていきます。

 

 

 

追記:君嘘の『嘘』についての考察を書いています。

⇒「『四月は君の嘘』追走!詳細設定・伏線考察Coda5 ~バラードの共演より1年記~」

 

追記2:原作の1話以前、四月に至るまでのかをりのエピソードを描いた

二次創作の短編小説、『星のプレリュード』の紹介記事。

「『四月は君の嘘』宮園かをりちゃん誕生日記念。今年のお祝いに前日譚小説を書きました」

 

公園での『ハトと少年』のピアニカ演奏。

公生との出逢いの時。

 

「強く吹きすぎちゃった」

と涙の訳を口にしていますが、

真相は、思わず公生が約束の場所に現れたことへの、

歓喜の泪だったのでしょう。

 

演奏中に公生が視界に入って、

ピアニカを吹きながら、

内心で喜びがとめどもなく溢れてきた結果でしょう。

 

好きな男の子とのまともなファーストコンタクトに

嬉し涙です。

 

かをちゃんこそ、女の子だな。

 

 

藤和ホールでのヴァイオリン演奏を聴きに来るのに、

公生の手を引いて、かをりが促したこと。

 

一見、椿と渡の友人に親切に振る舞った、彼女の優しい面、

とも取れますが、

その真相は、公生に出逢えた気勢に乗じて、

『公生にまたピアノを弾いてもらおう作戦』を

急遽実行したのでしょう。

 

アグレッシブなアプローチは、走り出したかをりの力ですね。

 

 

自分の演奏の感想を、公生にも求めたこと。

 

このシーン、演奏後なのに手が震えているんですよね。

それは病気のせいもあるのかもしれないですが、

本来なら必死になるのは演奏に向かう時。

演奏を終えた後に緊張で手が震えるのは、

緊張の余韻としても、

あまり道理に合いません。

 

これは、公生がかをりの演奏を聴いて、

心動くモノがあったかどうかを、

彼女がとても気にしていたということで、

それだけ、憧れで、想いを寄せる公生の意見が、

かをりは気になったのでしょう。

 

「どぉんなもんだいっ!」

 

の笑顔が会心だったわけですね。(T_T)かをちゃん…

 

 

度々待ち伏せしていたこと。

 

これはあまり殊更に言わなくても、

視ている人に、

かをりは公生と一緒に行きたかったんじゃないの?

という感覚を大いに抱かせている場面たちですね。

 

実際はその通りだった訳ですね。

 

けんけんぱの子供に「人を待ってるって言ってた」

と言われてかをりが焦っているのは、

もしかしたらその相手について話していたのかも。

 

かをりは随所で用意周到さを見せますが、

本当のところは、一途な良い娘ですね。

 

四月は24

 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

 

無理を言って、公生に伴奏を頼んだこと。

 

これは、「コーセーくんにまたピアノを弾いてもらう」

ためのステップですね。

 

かをりのこの願いは、

偏に公生を思えばこそ。

 

彼女の想いが、自分の弱さを隠さずに曝け出すことを

させたんですね。

 

「挫けそうになる私を、支えてください」

は、さすがに狡さがありますが、

それだけ命の残量的に必死だったのでしょう、かをちゃん。

 

 

終わったコンクールで再び弾き始めたこと。

 

この時にも後にも、公生は、

 

「あの時君は、何を思ってヴァイオリンを弾いたんだろう」

 

と述懐していますが、

これもまた、公生にピアノを弾かせるためのステップ。

かをり自身の自由さの表れでもあったのですが、

この時にかをりの心には、

 

『公生のために弾く』

 

という確固とした意志があったのも、また確かです。

 

自分の栄光よりも、想い人の為の行動。

かをりちゃん、尊い……。

 

 

毎報音楽コンクール予選。

アゲインから弾き切った公生を見たかをりの言葉。

 

「公生が帰ってきた」

「(かつての)君がいるよ、有馬公生くん」

 

絵見同様に5歳の頃に公生を知り、魅せられたかをり。

 

その影響を与えた公生が、ピアノから離れて行った。

その帰還の瞬間を感じての一言。

 

四月の初見時に友人Aとして紹介された公生だが、

それ以前から個人的によく知っていたことの示唆。

 

(カフェ帰りにネコを挟んでの会話でも表れていますが)

 

また、ここでかをりが感動する意味は、

自分が余生を使ってヴァイオリンを弾く意味が、

彼女のユメが叶ったことにもよるのでしょう。

 

『愛の悲しみ』の選曲。

 

ガラコンで公生に弾かせる曲に選んだ

『愛の悲しみ』。

 

これは公生がピアノを止めた原因、

母の死にも絡んでくる。

 

かをりの思惑は、公生のトラウマの克服でしょう。

 

公生がピアノを弾くことを確固たるものにするために、

必要なこととして、彼にこの曲と……

ひいては母親の影と向き合合う事を

かをりは勧めたのですね。

 

厳しいというか、公生の凪との連弾の

「尻を叩き」、は

かをりのこうしたところから、

影響を受けていたのかもしれませんね。

 

 

入院中にお見舞いを促したり、

電話で話したり。

 

まあ、こういうのは想い人へ向けては、

さして深い意味もなくしたくなることですよね。

 

これが2月のコンクール本選を控えた段階では、

公正の為を思って、

「もう病室に来なくていいから」、

とかをりの方から告げるのですが、

 

それでも彼女にも繋がっていたい気持ちはあって、

夜間飛行についてのささいな電話をかけてくる。

 

ああ……かをちゃん、いじらしい。

 

 

「私と心中しない?」

 

辛い状態にあったのはあるのですが、

それが他でもない公生に向けて言われた意味。

 

もしかしたら、彼の中の私は、それを了承するような

存在になれているかな?

 

という、哀しい希望が匂ってきます。

そんなシーンでしたが、

要は公生が好きだから、自分が死んで

離ればなれになりたくない、という想いが

彼女にこんなことを言わせたのかもしれません。

 

ちなみにニコ生のコメントで、

心中=心重

 

こころを重ねる、という解釈がされていましたね。

心寒いだけのニュアンスじゃなくなるような、

一層シビアになるような。

 

……いえ、「心中しない?」の言葉が、

公生とかをりの心を確かに重ね合せる、

その切っ掛けになったと、

そうポジティブに考える表現だということでしょう。

うん。

 

「もう一度、君とワルツを……なんて」

 

医師から告げられた病状によって、

自分の命に諦念を持ったかをり。

 

その彼女が、公生の言葉で「もう一度」

と思えたシーン。

 

これは、他ならぬ公生がかをりに求めてくれたからこその、

かをりの決意ですよね。

 

この時のかをりの喜びは、涙を見ても解りますが、

 

「枯れた心に水をくれるんだね」

 

ですね。あのセリフに集約されています。

 

『君』が求めて、願ってくれることが、

力になるよ、と。

ラヴパワー。

 

 

キセキのエアヴァイオリン。

 

 

ふさぎ込み、また下を向いている公生。

無理だと繰り返す彼に、

かをりは躰が自由にならないのを押して、

自分が希望となってみせる。

 

今そんなことをしたら、

尚更躰に障りかねないのに、

 

偏に公生のために。

 

愛の力ですね。o(TヘTo) くぅ

 

 

かをりちゃんの内に秘めた想い、

確かに心の中に……!

 

 

5.かをりの死は避けられなかったのか。

 

四月は88

 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

これに関しては、原作者の新川先生の腹三寸、

ということも言う人はいるかもしれませんが、

作品にはかをりが居なくなる根拠は

しっかりとあります。

 

それに関しては、当ブログの君嘘最終回感想を

ご覧になってくださると、一助になるかもしれません。

 

「その意味の納得。届くといいな。『四月は君の嘘』最終回「春風」視聴感想」

 

……正直、長いですが。

 

 

ところで、「七色シンフォニー」の歌詞で、

 

いてもたってもいられなくなるよ

この一瞬を抱きしめよう

僕らはここにいる

 

ということろを少しひねると、

 

君と居る時間を永遠にしたい。

僕の内に、彼女も居る。

 

となって、

かをりの死後の公生の心情を表現しているようです。

 

かをちゃんの命には、やはり意味があった。

哀しいけれど、受け入れて、失って進むのです。

 

 

 

  ―――――――――――――――――――

 

 

 

思ったより長くなっておりますので、

続きは明日更新の次回記事で。

 

ところで、

公生はかをりとの藤和音楽コンクールでの共演で、

舞台にある“すごい光景”があることを知った

みたいに作中では描かれているように感じるけれど、

 

しかし公生は8歳でオーケストラと共演した経験がある筈。

そこでは万来の拍手を浴びなかったのか?

これは本作の矛盾点なのではと思うのですが、

どうでしょう。

 

 

 

  ――――――――――――――――――

 

※11月現在追記。

円盤最終9巻の特典マンガを読んだうえでの所見。

 

かをりは5歳時に公生の演奏に感動し、公生と共演したくて

ヴァイオリン転向をしたのが、特典のCoda5で公式描写されました。

 

自分の

「かをりヴァイオリン転向は公生が音を喪失した後」

という見解の理由は下記の「詳細設定・伏線考察Coda4」

をご覧になってみると良いかもしれません。

 

  ――――――――――――――――――

 

ではでは~。君だよ!君なんだよ~♪

 

 

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