連載が始まった当初、ジャンプを週刊雑誌として購読することが減っていたので、葦原大介先生の新作が始まっていることにも気付いていませんでした。
そのじゅーしーが「ワールドトリガー」(以下「ワートリ」)を知ったのは、去年のゴールデンウィーク合併号を去年の暮れに何気に読んでいる時でした。
絵柄からこの先生は、二足歩行の犬が主人公のギャグと思われる作品
(「賢い犬リリエンタール」というタイトル。失礼ながら題名を知っているだけで、しっかり読んではいなかったです)
を描いていた方だとすぐに判ったのですが、それよりもアクション要素の濃い作品であるのが興味を引きました。
あれは現在になって知るところ、コミックス2巻収録の第12話だったようです。
そして当時、購入して読んでいた今年の新年1号の話が、自分にとって思いのほか面白かったというのが、じゅーしーの「ワートリ」への興味を強いモノへと確定させました。
そのエピソードは、主人公の三雲と空閑が戦術を語る第41話。
一部抜粋
「(相手が)自信満々でプライドが高そうなのはわかっていたから、最初の2本は向こうに気分よく勝たせた。簡単に言えばこっちを嘗めてもらうためだな」
「自分の方が強いと思い込んでいる奴は、勝てるはずの相手に負けるとムキになるから、ベストの動きが崩れて殺しやすくなる」
「しかも負けるほどに取り返そうと熱くなるから、あとはその隙を突くだけで簡単に勝てる」
これは孫子の兵法のいくつかに類する戦略なのですよ。
例えば「兵勢篇」
『善く敵を動かす者は、これに形すれば、敵必ずこれに従い、これにあたうれば、敵必ずこれを取る』
(用兵にたけた将軍は敵が動かざるをえない態勢をつくり、有利なエサをばらまいて喰いつかせる)
また「軍争篇」や「九地篇」にもこれに通じる言葉があります。
少年誌のアクションモノで、こうした骨太な戦闘理論をぶち上げてくれる作品をあまり知らない自分は、「ワートリ」できるな!と感心してしまったのです。
それからタイミングが合って週刊雑誌を手に取るときは、必ず本作をチェックするようになりました。
……というか早くコミックスを手にして第1話から読みたいと思っていたのですが、自分の執筆スケジュールの折り合いがありまして、新規開拓を渋っていたのですよね。
そんな訳で、やっと本記事のタイトルの通りにコミックスを読むことが出来たという。
しかし期待を裏切らない作品でしたよ!
主人公の空閑遊真(くがゆうま)は常識がなくて好戦的なせいで、見ていて危なっかしい反面、現代社会のひねた人間をかるく独自理論と行動で黙らせてしまい、すかっとします。
同じく主役各の三雲修(みくもおさむ)は優等生メガネくんなのだけれど、戦力的にいまいち頼りなくて、こっちもあぶなっかしいです。あと敵対勢力の人物をかくまってしまい、2巻以降どうなるのやら心配です、この子。
三雲と同じ組織の面子がこれまた個性的な面々で、気の強いクールビューティ―の木虎や実力派エリートの迅さんなど、動向が気になるキャラが多いです。
あと先述の12話が週刊連載版とコミックスで若干変更点がありましたね。
2巻の12話、三雲が近界民をトリガーで攻撃するシーン。
初めてB級の戦闘用トリガーを使って、その出力に引っ張られるがなんとか敵を斬る、というのがコミックス版ですが、週刊版は「スラスターON!」からあっさり一刀両断してしまっていたのです。
この変更はコミックス版の方が描写が細かくて、かつ三雲らしさも出ていて高評価です。
古参の「ワートリ」ファンならば、気付いていた人も多いでしょうね。
……そういえば、粗筋を書いていませんが、じゅーしーが「ワートリ」を好きになったのは上記のこうした断片的要素からなのが大きいので、この記事を読んで興味を持っていただけるのもアリだと思う次第。
ちなみに単行本は2巻あたりから購入特典のペーパーが付くそうで、残念ながら現時点ではネットオークション等でしか入手できないモノもあるそうで。
第3巻の特典ペーパー画像⇓
可愛い女子もおりますよ的に。
SF的現実世界での侵略者との戦い。
特殊能力&武器を駆使してのアクション。
世界の謎。敵勢力の謎。
味のあるキャラと彼らの考え方、……などなど。
面白いので、あなたもどうぞ読んでみてください!
トリガー・オン(起動)!!的に「ワールドトリガ―」ファンが増えるといいな、です!
……あとこの作家さん、やはりギャグ畑の人なのか、コミックスのカバー下のおまけが爆笑必死です。セクハラエリートとか千佳ちゃんとかwww
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