本作は独ソ戦に参加した女性兵のインタビューから
戦争の実情を描いた著書のコミカライズ。
多くの人が大切な何らかの幸せを守るために、
『戦争は地獄』 という本質を知らずに参加し
その現実に苦しみ傷を負う女性兵たちの当時と事後が絵で描かれる。
『はだしのゲン』 もそうだが、
戦争は地獄という現実を生々しく突きつけてくる作品だと本巻はさらに感じた。
これをコミカライズしようという作者に対して、
1巻の帯で富野監督が賞賛していたのもうなずける。
元女性兵たちの口から語られる現実は、
「戦争なんてするものじゃない」 と痛切に感じさせる。
これも富野監督のいうように、政治家などは必読の書であるといえる。
民衆を動かす上層の人間の自尊心や欲、
利益や他国へのメンツのためにして良いことではないのだ、戦争は。
そのくらいに本質が地獄なのだと生々しく描かれている。
絵、ビジュアル化されているので
読む際はある程度覚悟が必要な人もいるかもしれない本でもある。
これを描くことはなかなかの覚悟が要ったのではと思う点、
作者には敬意を払いコミカライズ完結まで読みたいと思う。
アニメや映画、ゲームで戦いや戦争で盛り上がるが、
それは商売やプロパガンダ的に良い面を脚色したモノに過ぎず、
戦争の本質は地獄であるというこを若い人たちのも本書で感じて、
忘れないで欲しいと思わされた。
ではまた次の本の感想で。