1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「チョコレートのお題で書いた400字のショートショート2本。今週のお題「チョコレート」」

今週のお題「チョコレート」

 

今回は、今週のお題「チョコレート」で
書かせていただきます。

 

過去にWEBラジオ音泉の、
声優大原さやかさんの朗読ラジオ『月の音色』で
番組がお題を出して、リスナーが400字のショート小説を考えて投稿、
良いものを大原さんが朗読する、
というコーナーがありました。

 

それに投稿した作品のひとつで、
お題が「北風とチョコレート」というものがありました。

 

その作品をこの機会に、
掲載させていただきます。

 

「北風とチョコレート」

『最強決定戦』

 

『今年もその戦いはやってきた。
冬将軍は告げる。

 

「ワシのターン!基本スキル『北からの風』!黒雲召喚、寒冷化と日照減、免疫力低下を発動お!」
「くっ強い!でもまだ!」

 

「フン、ならばァ!更に風邪ウイルスの追撃!咳、頭痛発熱の諸症状を付加!どうだ!これで冬を越せまい‼」
「ううんっまだよ!希望を捨てちゃいけない。だって私はチョコレートの精!皆を笑顔にする使命があるの!」
「何⁉」

 

「私のターン!神の食べ物チョコレートを連続召喚!
抗酸化作用、代謝上昇発動!さらに免疫力上昇、疲労回復を追加‼まだまだァ‼
血行促進、体温上昇!抗炎症作用による風邪の症状緩和‼いっけえええッ‼」
「ぐううっ強い、強すぎるぅッ」

 

こうして悪は退けられた。

 

「みんな!風邪に負けないためにチョコレート、食べよ!」

 

というCМを見て思った。
バレンタインに飽きたらず、既に大人気なキッズの購買促進を更にするのかよ。
商人最強か!』

 

 


『播磨の豪商』

 

『時は江戸。
 ある商家の大旦那が、長崎は異人村に見聞の旅をした。
 そこで旦那はある芸子と仲良くなった。そして、彼女が異人からもらったという品を口にした。
 どろりとしていて、これまで味わったことのない面白い味だった。
 これはもしかしたら儲けの予感が……。
 しかし、今は鎖国の世。渡来の品であるこれの流通は難しい。
 そう渋面になる彼の横で、芸子が砂糖菓子のような笑みでつぶやいた。
「こんなステキな品で、皆が笑う世の中になればいいのに……」

 

 時は流れ幕末。
 件の旦那の家系は家訓に従い商いを拡げ、その財で志士を強力に援助した。
 そして、ついに明治維新が成った。
「ご先祖様……もう少しです。もう少し」
 だがその家系は、明治半ばに訳あって終わりを迎える。
 それを偲んだ友人、伊藤博文が碑を作った。

 

『この者、北風荘右衛門の家、旧き約束に従い新しい世を拓く助けとなる』

 

 彼らが世を去った四年の後、チョコレートの工場生産が普及し始めた。』

 

 

……いかがでしょうか。
1本目は某カードバトルやなんやの熱さモリモリですね。

 

2本面は、半分史実、半分フィクションです。
実際に播磨の豪商、北風荘右衛門はいましたが、
彼が九州の異人村にいって芸子にチョコレートを教えられたのはフィクションです。

 

また、実際にその財産で倒幕維新側を支援しましたし、
(彼らの家がそうしたわけではないのですが)
チョコレートの工場生産が始まる
その四年前に家系が絶たれたのも実際のことで、
明治頃のこの家の人間が伊藤博文と友人関係にあったのも事実のようです。

 

実際に伊藤博文がこの家の人間を偲んで立てた碑もあるそうです。

 

あとはどういうことかは読んだ方々に楽しんでもらえれば幸いです。

 

今回はチョコレート関連の趣の違う創作物を
掲載させていただきました。

こんなチョコレートの世界もあると楽しんでいただければ幸いです^^

 

そんな今週のお題「チョコレート」
でした。

 

ではでは~。