1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「以前書いた400文字のショートショート小説を2本。今週のお題「怖い話」」

今週のお題「怖い話」

 

今回は、今週のお題「怖い話」で、
以前書いたショートショート小説を掲載させていただきます。

 

さっそく行きましょう。
1本目。

テーマ 「時計のつぶやき」


「知ってる? 街の時計塔、その内階段で一言をつぶやくと返答があるんだって」
「今時なにそれ~」
「でも、ちょっと試してみたいね」

 

 女子友三人は噂の時計塔を訪れ、階段を上った。

 

「内容は時間に関すること。あれいつだろ、がルールなんだって。私は……今は特にないや」
「なにそれ~、じゃあ私はあの先輩はいつ別れる~?」
「私はそうね、あのアーティストの新曲の発売日!」

 

 三人は耳を澄ませたが、聴こえるのは重い時計の作動音のみ。

 

「ま、噂なんてこんなもんよね」

 

 その夜、三人は部屋で深夜頃に何かの言葉を聴いた。そして、

 

「ねえ、先輩が別れる日、当たってたんですけど」
「発売日、一週間後に発表されたの当たってた……」

 

 友人達は怖くなった。

 

 だが、一人だけがまた時計塔を訪れてつぶやいた。
「宝くじ、いつ買ったら大当たりしますか」

 

 それから数日、宝くじ売り場からの帰り道、
時計塔の鐘の音に気を取られた少女に向かって乗用車が勢いよく迫った。』


噂話、都市伝説系のホラーですね。ある種ベタかもです。

 

2本目。

テーマ 『真夜中のコンビニ』

 

『俺はコンビニの店内監視のモンだ。毎日暇そうな客をカメラで追う。
 ある日、真夜中のシフトになった。あまりに退屈で店にコーヒーを買いに入った。
 そこで入り口付近に子供がいるのに気づいた。
 不審に思ったが、裏方の俺が余計なマネはしない方がいい。
 部屋に戻ってカメラを見る。子供はずっといる。
 だが違和感を覚えた。

 

「この子供、なんで3時間も真夜中に居続けてるんだ?」

 

 いよいよおかしいと思った俺はレジ員に話しに行った。すると、

 

「何いってるんだ? この一時間ずっと、俺たち二人だけだったぞ」

 

 ぎょっとして店内を見歩くと、もう子供はいない。
 だが会社には報告した。すると古株の警備員が言った。

 

「ああ、あるんだよ、そういうの。多分、敷地の昔の住人だろう。
かわいそうに、何かあったんだ。不気味だが知らんふりしておけ」

 

 世の中不思議な事があるものだ。その先輩は言う。
コンビニが頻繁に入れ替わる場所は、そういう何かがあるらしい、と。』


……いや、創作です。フィクションです。実際はどうかは定かではありません!

 

という2本でした。いかがでしたでしょうか?
ホラーは書いているときに自分でも背筋がぞくぞくする時がたまにあるのですが、
なんででしょうね?

 

こちらは以前、WEBラジオ音泉の番組、大原さやかさんの朗読ラジオ
『月の音色』のコーナーであった、
番組からテーマを出して、
リスナーが400文字のショートショート小説を書いて投稿する
『月の文学館』に過去投稿した作品になります。

 

これらはボツだったのですが、
せっかくなのでこの機会に掲載させていただきました。
楽しんでいただければ幸いです。

 

今回はそんな「怖い話」で書かせていただきました。
ではでは~。