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とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「アニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』視聴完走、の感想」


今回は、昨年2019年の夏期、
今頃に放送されていたアニメ、
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』を視聴した感想を
書かせていただきます。

anime.elmelloi.com

 

本作は、『Fate/stay nigth』で知られるTYPE-MOON
Fate派生作品のひとつです。

 

先行して、小説が出版、
コミカライズもされていた内容から抜粋しての本映像化。
内容は、『Fate/ZERO』や『Fate/Apocrypha』などで登場した
ウェイバー・ベルベットを主役に据えたミステリーテイストの作品。

 

TYPE-MOONにおける世界観の大本である魔術の総本山、
イギリスはロンドンを舞台に、
魔術を統べる協会、時計塔の12人の君主(ロード)の一角となったウェイバーが
さまざまな魔術絡みの厄介事、事件を解決していく。

 

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 © 三田誠TYPE-MOON / LEMPC

 

本作を通して、ウェイバー(ロード・エルメロイⅡ世)は過去の聖杯戦争で使役したサーヴァントへの
想いを果たすべく、
時計塔での講師をしながら再度、聖杯戦争に参戦する手回しをしていくのですが、
その条件として周囲から魔術絡みの難事件を押しつけられ、
その頭脳で解決していく
ロンドン×魔術×ミステリーなのですが、
この謎解きはやや専門的すぎて視聴者は置き去りにされている感もありました。
それでも、アクションシーンも加わり、
ロードの内弟子の外套少女、グレイの大鎌の霊装を使ったシーンは
Fateらしい厨二的さで魅せてくれます。

 

自分はネットフリックスのおススメであがってくるショートムービーで、
このグレイがカンテラ(鳥籠)の中の喋る霊装のアッドにおしおきとして
鳥籠をぶんぶん振り回しているシーンを見て、
この子どんな性格だろう?
と思ったのが視始めた切っ掛けだったりします。
このグレイたんがなかなかに愛らしい。

 

実際のグレイの性格をいうと、
わけありの田舎娘。墓守で魔術の内弟子で、控え目な性格。
けれど、作中で描かれますがある英霊に縁の少女で絶大な力を持っています。
そんな彼女は結構な師匠のロード大好きっこのようで、
本作はグレイがロードをアクション面で助けながら、
ロードが謎解きをするスタイルで二人の探偵と助手、
バディによるミステリーのような構成でもあります。

 

同時に、ロードが聖杯戦争に向かう理由である『過去』のサーヴァント、
イスカンダルに捉われていて、
今の相棒であるグレイに向き合っていないところがあり、
シリーズを通して最終的にグレイと手を取り合い
『今』のロードの問題に向き合っていくようになるところから
Fateらしいパートナーとの絆が描かれている作品といえます。

 

この辺は、3話の令嬢とメイドの事件で、
この二人が残された家で共に生きて行くことを暗示するように、
エピソードの最後で繋がれた二人の手が描かれていて、
本シリーズがこの描写に象徴されていたようにも感じます。

 

殺人事件、死体の連続、
というストーリー進行は、
魔術という現実離れした世界のなかで、
過去の英霊との絆というそれから、
死体という現実、今にフォーカスせざるを得ない、
という構成、演出だったようにも思います。

 

こうした映像面など演出は、
やがて君になる』の加藤誠監督の技量が存分に発揮されていたと思います。
1話を見て、監督が加藤監督だと知って、
これはじっくり見て行こうと思わされた作品でもあったのですが、
見事な作劇構成、演出だったと思います。

 

他に、事件には各種の『魔眼』、
特殊な能力を持った眼、が絡んでおり、
後半はその魔眼のオークション会場である魔眼蒐集列車で殺人事件が起こり、
イスカンダルの遺物を盗まれたロードが同乗して解決に導きます。

 

この魔眼の能力も多種多彩で、
それを利用した謎や、戦闘、ストーリーの展開も興味深いものでした。
あと、目を押さえて力に苦悩する様子など、
かなり厨二的な心を刺激されました。

 

本作はそんな各種見所も多いですが、
キャラも当然魅力的で、キャストも豪華です。
印象的だったのはロードの謎解きのライバル的な存在、
化野菱理役の皆口裕子さん。
ドラゴンボールビーデルさん以来自分は聴いていなかったように思うのですが、
とても存在感のあるお声をされていました。
かつては柔ちゃんを演じていた方ですが、
化野は妖しく艶がある大人の女性で魅力的なキャラに仕上がっていました。

 

キャラでいうと、グレイも能力以外では純朴な少女で、
列車の事件でのあるアイテムにまごつくシーンや、
時計塔の女子たちと買い物に行って普段は着ない服を着るシーンなどもキュートでした。
一人称が『拙』(せつ)というのも味があります。

 

本アニメシリーズとしては、
聖杯戦争イスカンダルにこだわっていたロードがそこから成長し、
グレイと今を生き始める、
という感じでまとまっていました。
それは今後の展開として
列車での事件で遺物を盗んだ犯人との今後の対決継続ということであり、
原作ではそれが描かれているだろうし、
アニメの続編があるならそこからが描かれると思われます。

 

本作を視聴した自分の評価としては、
見所の多い作品で、面白かったです。
特に映像演出と、あと音楽がとても良いです。
OPとEDはとても気に入りました。
映像自体もとてもクオリティが高いです。

 

ただ、自分はウェイバーのでる作品は未視聴だったので、
彼がイスカンダルに抱く想いへの感情移入がイマイチだったので、
できれば段階を踏んで視聴した方がより楽しめるのかもしれません。
それでも単体で見ても面白い作品だったと思います。
外套少女のグレイの性格も思ったよりもずっと良くて満足しています^^

 

というか、イスカンダルと若き日のウェイバーの遣り取りに興味が湧いたので、
今後、それらの作品もチェックしたいと思いました。

 

今回はそんな『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』
の視聴完走の感想でした。

 

ではでは~。