1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「背中で、生き様で語る父という存在。今週のお題「お父さん」」

今週のお題「お父さん」

 

今回は、今週のお題「お父さん」で
書かせていただきます。

 

父という存在について思うと、自分自身の父もそうですが、
古くからの父の在り方も様々あり、
漫画やアニメの作品のなかにも様々な父像があると思います。

 

その中から、
自分の印象に残っている父像でいうと筆頭に挙がるのは
アニメ『エウレカセブン』の主人公、レントンの父、
アドロック・サーストン

 

彼は、偉大な研究者であり、
『ねだるな。勝ち取れ。さすれば与えられん』
という言葉を残しています。
レントンはややぼやっと、だらっとした子供で、
自分の夢にさえ我武者羅になることを知らず、夢見がちな少年でしたが、
次第に勝ち取る≓現実に立ち向かい行動する
ようになっていきます。
これも偉大な父の生き様がその子供に伝えたことだったのでしょう。

 

他に、
中平正彦先生のストリートファイター三部作完結編、
『RYU-FINAL』での父(?)であり超えるべき存在である
拳を極めし者、豪鬼
彼は自らが過ちである暗殺拳の禁忌、殺意の波動に手を染め、
それへの回答を幼いリュウに問いかけます。
リュウはその後、半生を流浪の格闘家してその答えに至るのですが、
この二人の決戦を見届けた仙人オロは言います。

 

『子を育む親の愛情、厳しさに形はない』

 

そして豪鬼リュウに、
『すべてを子に託せ、そこに新たな道が開ける』
と語り、
自分たち格闘家のなんと不器用な生き方よ、
と自嘲の笑いとともに、
リュウの子(つまり彼が育てた孫的存在)
ともいずれ戦いたいものだと言って去ります。

 

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 ©Masahiko Nakahira 復刊ドットコム新装版RYU-FINALー闘いの先にー

 

答えを子に託し、子の答えに満足し、子のその先の目的も与える父性。
受け継がれる意志。
豪鬼はそんな父的存在でした。

 

そして、これは個人的に父像の感銘を受けた初期的な存在なのですが、
それが
不思議の海のナディア』の父、ネモ船長です。

 

娘であるナディアに素性を明かさず、寡黙にノーチラス号の皆を率いて戦う。
ナディアに人殺しとなじられたこともありました。
そんな彼は最後、自分の責任を全うし、命を賭して娘に言葉を残します。

 

『どんなことがあっても、生きろ』、と。

 

うーん、父の愛。
時に壁であり、指針となる背中を見せ、
子供の成長を促し、なにより子の幸せを願う。
母性というものもありますが、父性もまた子を慈しむ形であり、
それはまた、風のようにひとつの形が決まっていない。

 

自分の父についてすこし語ると、
正直、格好わるい父です。
自分たちが子供のころから人にねだり、自分ではあまりやろうとしない、
そのくせ、他人に理想を押しつけ、その通りにならないと不満を垂れます。
うじうじして、弱い体、善人ぶり、
上っ面の言葉で他人を誘導して同情や利益を得ようという卑怯な人間です。
心が子供な大人の年齢の人だったのですよね、
親ですが今シビアにジャッジすると……。
おかげで、だいぶ『この人のようであったらロクなことにならないぞ』
という反面教師になりました。

 

偉大で強い父、というのを世間は賛美しますが、
世の中にはこういうアカン親もいるのが悲しいですが現実です。
ウチはそういうパターンだったという話ですが、
しかしそこで腐るのでは、そんな父でも家庭を設け、子を持った甲斐がありません。
自分は成長するにつれて様々な学びを経て、そう思うようになりました。

 

父の存在はあくまでひとつの要素に過ぎず、
どんな子供もその人生は子供自身のモノであり、
自分で考え、勇気をもって行動し、努力と工夫とで切り開いていくモノだと考えます。
だったら、反面教師であっても良いと思います。
駄目な例を提示してくれたことで、
次の子の世代は少し可能性も出てくるのだと思います。

 

芸能界や歴史がそうなように、
一世が偉大過ぎると二世はたいていボンクラですし、
むしろ親が問題があるというのは這い上がるチャンスでもあると
自分は捉えています。
まあ、駄目な例という影、悪影響はあるのですが、現実として。

 

それも含めて、親から子に受け継がれたモノの答えを出せ、
ということなのかもしれません。
どんな親、父でもその人の人生を生きてきての父という立場です。
彼の生にも不満や苦悩があり、
それでも愛する女性と子供をなした。(欲と妥協もあったかもしれませんが)
その子供は彼のネガティブな面の影響を受けますが、
歴史がそうなように、前世代の過ちがあって、次の世代は少しより良くなれると思います。

 

いわば血脈のリレー。たすきでありバトンを継承している。
ネガティブなモノもあって苦労する子供も男女ともにごまんといると思いますが、
(ときにそのバトンを断ち切って離れないと、その子供の人生が始まらないという
ケースもありますが)
親は持って生まれるモノ。
持って生まれるモノに負けないで、少しずつでもより良くなって行きたいと思います。
それでこそ、親も、父も子供を持った甲斐があると思いますから。

 

それが、自分の思う親孝行だとも思います。

 

超えるべき壁。場合によって反面教師であったとしても。
それがロクでなしであっても、父という存在だと今は思います。

 

今回のお題は、そんな自分がこれまで考えていたことを
整理して文章化する作業になりました。
感謝を表します。
共感が欲しいわけではないのですが、自分のウチのような存在の父も、
実は世の中いそうな気はします。
ただ、互いの生を活かしていけたらと、そんな風に思います。

 

その先に、感謝できる時がきたりするのでしょうかね……?

 

そんなことを書かせていただきました。
ではでは~。