1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「ネットでのイラストなどの投稿の弊害と、そこから学んだことの経験談。今週のお題「オンライン」」


今週のお題「オンライン」で書かせていただきます。

 

自分はオンラインというかネット環境は仕事のために
PCでは2010年台から始めた素人だったのですが、

 

最初の2年間は趣味の一環として
これまで紙とペンで線画や漫画絵のみだった趣味のイラストを
デジタルペイントの練習をしたりもしていました。

 

その際、ペイントソフトを探す際も先人たちの書いたブログなどを
たいへん有難く活用させていただき、
その際に購入した
ペイントツールSAIはいまだに使って時々イラストを描いています。
(SAIについての賛否はこの際おいておいて)

 

また、デジ絵の塗り方の基本や様々なテクニックを学んだのも
ネットが中心でした。
書籍でも購入して、付録ディスクのリアルタイムのペイント動画を見たりもしたのですが、
(現在ではTwitterなどでもgif動画で工程をさくっと見れたりするのですが)
そういうのをデジ絵専門誌の付録で見たりして、
分からないところはネットで色々な人の意見を参考に補填しながら
少しずつ自分で描いていました。

 

その甲斐あって、それまで20年来カラーイラストを避けてきた自分が
(線画は好きだったのでたくさん描いていたのですが、
その渾身の線画を色塗りのミスで台無しにするのが嫌だったのです。
ならコピーでもしてやれば良かったのですが、
色々情弱だった自分の時代でした)
2年ほどカラーイラストを描いて塗りの技術も少しずつ向上しました。
この辺はデジタルとオンラインの恩恵です。感謝しております。

 

その間、せっかく描いたイラストなので、
噂にきくネットのイラスト投稿サイトという存在に
アップロードをしてみようと思いました。

 

それが2012年のことなのですが、
そこから自分のネットにあげることの中毒と依存、
そして少し距離をおく考え方の変化、成長がありました。

 

アップしてしばらくは
カラーイラスト初心者の自分のレベルもあるのですが、
ぽっと出の名もない新入りの作品なんて誰もまあ見向きもしないだろうと思っていました。
サイトを少し見て、ランキングや
気になる漫画やアニメの既存のアップ作品を見ると、
うまい人とのレベル差は歴然ですし、
そういう人は大抵同人で10年以上のレベルの選手がごろごろいますし、
人によっては本当に漫画雑誌で連載している先生や、
プロで食べているイラストレーターさんもいるのです。
これは評価などされなくて当然……半笑

 

と思って始めたら、
何の運命のいたずらか、割とすぐになにやら赤い印が通知欄に。
最初のびくりとしたときの感じは思い出せますが、
それで首尾よく少しは評価されて味を占めたところがあったのかもしれません。

 

そこからイラストは描きたいネタは沢山あったのと、
デジタルのカラーイラストの練習が楽しかったので、
少し本職の暇な時期だったのも助けて週2~3くらいで描いてアップをして
反応を見ていたのですが、
この反応を待つ時間がまあ、じりじりする。
しきりに作品管理をクリックして閲覧数と評価点数をチェックする自分がいました。
そんなにすぐにバンバン反応がるわけではないのに、実力的に。
……この辺はイラスト投稿サイトあるあるだそうです。

 

けれどこれはあとで知ったのですが、
こういうネットの点数や反応というのは、
SNSやメール、スマホの通知と同じで
アクションがあると脳が報酬を得られたと認識して脳内に快感物質が放出されて、
その反応がまた欲しくて癖になるところがあるのだそうです。

 

スマホ依存、ネット依存という言葉がありますが、
まさしく自分はしばらく
イラスト投稿の評価反応に中毒的になっていたのです。

 

これがオンラインを始めて2年以内に行ったことで、
そこからどうしたかというと、
反応が気になる気持ちを抱えながら、
しかしイラストは普通に描く意欲があったので取り組み、
そうして塗りの練習と仕上げた作品の投稿を繰り返す日々がしばらく続き、
やがてイラストは少しずつ塗りの技術も上達して、
最初は得点もブックマークも1~5とか、10~20台だったのが、
2014年にはブクマも100件に至るイラストが出てきました。

 

その節は、拙作を見て評価してくださった皆様、
たいへんありがとうございました<(_ _)>

 

それで満足してネットの評価反応をみるのが小康状態になったのかというと、
自分にあった変化は少し違って、
体力的にイラストを描くのがきつくなってきたのです。

 

これは本職の方が忙しくなってきて、
余暇にイラストを描き続ける日々のなかで
ある時期の線画はもう、よれよれで力がなく、
最初にデジ絵を始めてしばらくの頃の方が線画レベルが高かったくらいになってしまいました。

 

それで、イラストは少し離れることにしたのです。
反応があるということは、それは自分の作品が価値ありと認められたということ。

 

(……いや、投稿サイトはそう単純ではなく、
別の意図で評価した、ブクマしただけという人も割といるのは後々学びましたが。

 

これは余談ですが、ああいう投稿サイトを純粋に絵が好きで
見るのも描くのも好きで純粋に評価しているのは結構少数派だと思われます。
多くの人は評価基準が好意や利益で偏っているのが現実です)

 

それでも、評価はそれはそれでモノ作りの人間にはたいへん嬉しいことです。
でも、反応欲しさのために無理をして、
それで身体に負担がかかって本来できることが出来ないというのは、
何をやってるんだか?と自分に呆れたわけです。
それで反応を気にするよりもイラストは本来の自分が楽しいから描く、
というために描くという気持ちになれました。

 

まあ、それでも今でもたまにイラストを描いてアップすると、
その後少しの間はややサイトをチェックする頻度が増すのですが……。

 

この辺についての自分なりのアンサーは、
自尊心と承認欲求と、そして誰かを自分の作品で楽しませることが出来たという価値、
そのない交ぜだと理解しています。

 

ときどきいる聖人のような『人を楽しませたいだけ』
という人はややうさん臭く感じます。
モノ作りの人間は作品で自己の価値と幸せを感じる人間なので、
作品≒自分
であり、
自分のことが勘定にまったく入らないモノ作りの人間というのは、
欺瞞か自分の実際の醜い部分から目を逸らしていると理解します。
それに畢竟、他人を楽しませたり喜ばせたいなら、
モノ作りで作品でなくても成立するのですから。

 

作品で自己を訴えるとき、自分のことを勘定しない誰かのためだけ、
というのは欺瞞も甚だしいかと思います。

 

『綺麗ごとだけではない己の醜さも承知で自分という人間すべてで
幸せを作品で求めるのがモノ作りの人間』

 

個人的な考え方ですがおそらくこれは真理に近いと思っています。

 

話が反れました。
それでも距離をとるに至る過程で
ネット依存、承認欲求、中毒性などについて学び、
これは投稿サイトに限らず反応がくるネット、PCとは、
ある程度の距離をおいて適度に付き合っていくべきことだ、
というある種のネットリテラシーを学べる機会にもなりました。

 

それに、これは個人的なイラスト描きさんたちへの感慨なのですが、
特にSNSもするようになって感じたのが、
新作のイラストを描いている途中のモノまでアップして反応をもらっていたり、
閲覧数を稼いだりそこから評価を高めるために、
お互い様、相互でRTしあっている人が結構いたり、
そういう人は酷いとき、1日500件以上RTしているのを見て、
そこまでやって評価されたいのか……?
とその承認欲求としつこさに不快になりげんなりしました。
(こんな人の自尊心のために評価の片棒担ぐとか御免ですわ~、と)

 

自分はこういう人を見ると、
評価されたいこと自体は別にいいのですが、
それならそんな裏の人脈構築のようなことに地道をあげていないで、
イラストならイラスト、文章なら文章で
少しでも本を読ん少しでも書く、
という自分の実力を少しでも向上させることに時間を割きなさいな、
と思うのです。
むろん、宣伝が悪いわけではないのですが、
本来的なこというと、プロでお金がかかっているわけでもない
趣味なんですがね?と思うのです。
そのへんどういうつもりかと問うと、
その人の自尊心のためだということになり、
はあ……まあ好きな人たち同士でやってください、
という考えになったわけです。

 

そういう時代は自分にもありましたが、
今はもうあまり乗っかる気はありません。

 

そんなことも経て、自分はオンラインで
評価は無理してこちらから得にいくモノではないという、
人からすれば淡泊ともいえるネットの態度になりました。
(仕事に関しては評価が収入にかかわってくるので
正しく評価はもらいに行きますし、
当然評価に値する実力をつける取り組みもします)

 

これはイラスト投稿サイトを始めて1年と少しくらいは自分も
こちらの作品を見てそこから評価してもらう意図で
少しでも多くの人にこちらからアクセスしたりもしました。
でもそれも実際のその作品への描く、書くという行動が高まるにつれて、
評価されるための工作的な行動よりも、
作品をただ作ることが楽しいという、
モノ作り人にとって当たり前のスタンスに変わってきたのです。

 

それにそうしていた方が
相互評価という下心で評価した体の人と余計なコミュニケーションをとって
時間とエネルギーを削がれずに済みます。

 

これもイラスト投稿サイトで学んだことですが、
相互評価の工作をした人はその実力がてんで大したことがない人でも
誰がどう見てもその十倍はうまい人よりも評価点数が高い場合が結構あります。
悲しいですが、
これはコミュニケーション系投稿サイトの一面の真実です。

 

自分は7年くらいで純粋にうまいと思える絵に対して
(初期はコミュニケーションして相互ブクマしていたこともありましたが)
7000オーバーの相手へのブクマ、その3倍以上は評価し、
5倍以上閲覧してきた身なので、
色んな人の作品を見てきましたから、
この実力と評価のコミュニケーションと人脈、人気によるギャップを
正しく見てきたと思っています。

 

そんなネットと多くの人々の心理傾向をオンラインで見ることになったのを経て、
イラスト投稿サイトやSNSでの人気取り、承認欲求オバケになるのは
自分は遠慮しますわー、となりました。

 

もう少しいうなら承認欲求自体は別にいいんですよ。
向上心になりますし、人に認められることでやる気や幸福になれる面もありますから。
ただ、それで余計な行動に躍起になり、
時間とエネルギーを浪費して本来やるべきことの時間をおろそかにしてしまうようなら、
それは戒めるべき依存であり中毒なので、
控えた方がその人の本当の実りのためになりますよ、
と思うようになったのです。

 

自分は2016年くらいからイラストの投稿件数は減りましたが、
それでも今でもイラストはたまに描いてアップしています。
そんな自分が数年のイラストなどのアップをオンラインで行い、
多くの人のそんな弊害とそれとうまく距離をとる考え方を学ぶことになりました。

 

ただ、オンライン環境自体は便利であり、
うまくつきあえば様々な情報などの恩恵があるので、
全否定というわけではありません。

 

よいモノも過剰になると毒になる。
節度、ちょうど良いを知ることが大切。

 

今はそう思います。

 

……といった様々なことを自分はオンラインで実感したと、
そんな言葉でこの記事はまとめたいと思います。

 

多少辛辣なことも書きましたが、
みなさまもその辺を気をつけて今後とも良いオンライン生活を。
ではでは~。