1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「『四月は君の嘘』第3話感想・改稿。影からカラフルな世界へ。走り出す少年少女たち」  

 

アニメ『四月は君の嘘』第3話の感想になります。

2話ラストでデートの代役に任命された公生は、
かをりに連れられてカフェでスイーツをご一緒することに。

 

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©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会 

 

 

 

スイーツを前に歓喜するかをりちゃんが素直でかわいいです。

椿も元気な女の子で可愛いのですが、こちらがボーイッシュ系なのに対して、
かをりちゃんは華やかさと溌剌さがありますね。

 

彼女のこの性格を公生は、前話で渡が言ったように
彼女が自分の触れるあらゆるモノに対して『恋』をしているからこそ、
その心の彩りが彼女を輝かせている……と解釈します。

 

女は恋をしていると輝く、というわけですかね。

 

「あんなに凄い演奏家なのに、普通の女の子にしかみえないや」

公生にとってのかをりは、現時点ではすごい演奏家
正確はやばいけど、美しい女の子。
その彼女の幸せそうにスイーツを頬張る姿を目にして、
公生は相好を崩し微笑みます。

 

ここで店内のピアノを弾く子供たちが。
ピアノについて談義しながらも、
公生はかをりちゃんに子供にピアノを弾いてみせてやれと言われ、
断わり切れず弾いてみることに。

 

曲はモーツァルトの『キラキラ星』

 

トゥインクルトゥインクル、リトルスター、ハウアイ、ワンダー、ワッチューアー」
という英語の歌詞ヴァージョンを、恥ずかしながら初めて耳にしました。

 

しかも公生が弾いたフレーズの流麗な曲調。
多くの人が触れるよく知る「きーらーきーらーひーかーるー」
のあの有名曲は本来こんなに豊かで美しいメロディなのだと驚かされました。

 

カフェの店員やお客さんたちが感心して聴き入るのも頷ける、ステキな曲です。

 

『のだめ』もそうですが、音楽系の映像化された作品は、
もともとはクラシックに親しみがない人間でも
こうして名曲とステキな出逢いの機会を与えてくれますね。
だからこの作品も音楽系ということで放送前から注目していたのです♪

 

ピアノを弾くことから離れていた公生。
少し弾いてみたはいいのですが、
途中から『自分の弾くピアノの音が聴こえない』
という症状がでてきて、カフェでは演奏を中断することに。

 

ピアノが弾けない理由を
母を拒絶した罰と、暗く考える公生に
かをりは殴って蹴って言います。

 

「哀しくても、ぼろぼろでも、どん底にいても、
弾かなきゃ駄目なの。
そうやって私達は生きていく人種なの」

――と。
 

演奏家は。
表現者は。
その苦しみさえも作品へと表現する。
昇華して顕すことがもっとも価値であり幸福……なのかもしれません。
創作家、モノ書きとしても身の引き締まる言葉です。

 

かをりの勇気あふれる言動を見て、
公生は彼女への感情を「憧れ」と言いますが、
この時点では恋をしていると認めていないというだけで、
まさしく有馬公生は宮園かをりに恋をしているのだと思えてなりません。

 

しかし、「恋」と「憧れ」の違いってなんでしょう、と問われれば、
自分は相手への価値とその恋心を自覚しているかどうか、
……なのかもと思います。
まあ、たいていの場合、気づいたら落ちているモノでありますが、
自分の気持ちに蓋をしてごまかす、
嘘の多い彼ら彼女らの物語ということなのかもしれませんね。

 

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 ©新川直司講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

 恋は知らずにおちるモノ。憧れは随分と自覚的だ。
という感じですかね。

 

そんなうつむいて暗い公生に、
かをりは聴衆推薦であがれたコンクール2次予選の伴奏を頼みます。
もう、強引に。
でも、そんな自由さに、公生は春のなかにいるかけがえのない存在に見惚れる。
いや、視聴者の自分も見惚れます(n*´ω`*n)
 

その後、公生は伴奏の頼みを断わり続けて、
かをりは椿と共闘してなんとか公生にやらせようと画策。

 

1週間が過ぎていく中、
バスに乗るかをりが降りたのは『病院』。

 

実はコミックス2巻で描かれたのですが、
かをりちゃんは何やら体に問題を抱えているみたいなのです。

 

この問題が(何かの持病があるのか)彼女を様々な面で積極的に、
自由であろうと突き動かしているようにも感じます。

 

実際、コンクール2次予選当日、
公生に頭を下げて、泣きながら伴奏と、
そして自分を支えてくださいと頼むかをり。

 

この台詞に、その身の上の問題……重さを感じる気がします。

 

公生にとってかをりは
母親の次に心を大きく割くことが出来そうになる人物かもしれない。

 

この先、彼女が病でどうにかなるかもと考えると、
公生の心の苦しみと、それとの向き合い、
そして新たにピアノを向きあう決意などが想像されます。

 

また、音が聴こえなくなることを
「昏い海の底に独りぼっち」のようだと語る公生に、
かをりは
「私がいるじゃん」
と笑いとばしましたが、
この明るさ、強さ、自分への想いには、これは惚れちゃいますね、公生。

 

彼がいかに音の消えたモノトーンの世界で悩み苦しんでいるか、
そこに差し込むかをりの明るく強い笑顔と言葉。
光と色彩の在る世界に彼自身の意思で踏み出す力になったことでしょう。

 

こういう、くすぶっている人間を引き上げるパワーがある存在って、
とても好きです。こう在りたいとさえ思っています。
だから自分はかをりちゃんが大好きなのでしょうね。

 

3話ラストでは、かをりの頼みをひき受けた公生が、
渡と椿の体育会系ならではの助けを受けてコンクール会場に向かいますが、
ここのみんなでかっ飛ばすシーンの青春感がたまりません!

 

その時の公生のこころには、そして瞳に映る世界は、
もうモノトーンではなくカラフルに彩づいていたようです。

 

それは『春の中にいる』少女、宮園かをりの心に触れて、
公生の心にも変化の兆しがもう表れている、ということなのでしょうね。 

 

というか、公生のポジションはもろに椿のパンツが見えているのでは(笑

 

この作品、スカートで足技だしたりとか、
結構おパンツ見えてるよ~!というシーンが多い気もしますのですよね。
これもまた青春か(違う

 

ということで、以下次回へ。

 

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ここでひとつ。

原作コミックスの第1話が
こちら⇓ で無料で試し読みできます。

kc.kodansha.co.jp

 

この記事で紹介している『四月は君の嘘』って
どういう作品なの?
とりあえず読んでみようという方におススメです^^

 

音楽と春と青春と、ラブストーリーの協奏曲。是非、楽しんでみてください!

 

ではでは~。