1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「劇場版『コードギアスⅠ 興道』鑑賞感想」


今年の目標というか、少しの挑戦として、
これまでよりも少し映画を多く見てみようかな、
という自分の気持ちがあります。

そこでまず、昨年公開された映画、
コードギアス 復活のルルーシュ
を鑑賞しようと思ったのですが、
その前段階の気持ちの盛り上げとして、
どうせならば『復活の~』をみたギアスファンの方々と同じように、
コードギアスⅠ』~『Ⅲ』『亡国のアキト』
も視聴したうえで楽しもうかな、と考え、
まず『コードギアスⅠ 興道』を鑑賞。
今回はその感想を書かせていただきます。

では参りましょう。
撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ。

 


総じていうと、端折りは尺の都合上当然にあるのですが、
TV版同様に熱くて面白い作品でした。
ある意味、残酷ですが
同時に小気味よくもある裏切るようなシーンが面白いんですよね。
「そこで、ええ~」みたいな感じが、
久しぶりで細部を忘れていたので改めて
「こうきますか!」
的に盛り上がりました。

 

 

新規カットもあり、全体のバランスも良い。
変更点として、玉城役の声優さんが檜山修之さんに変更になっています。
これは、前玉城役の田中一成さんが亡くなられたので致し方ないでしょう。
今作は音声をすべて新規録音、TV版から撮りなおしたそうなので。

 

 

ほかにも自分の気づかない変更点はあるとも思いますが
声優について少し語ると、
ルルーシュ役の福山さんは変わらいない名演でしたが、
個人的に気になっていたのはカレン役の小清水さん。
あの方、詳しい事情は存じませんが、どうも印象として
キルラキル』以降少し声質に変化があったような気がしていたのですが、
(とあるⅢの麦野はどうも……超電磁砲Sは良かったのですが
キルラキルがハードすぎたのでしょうか……それとも別の事情があったのか)
しかし、本作のカレンは問題なかったように、表面上は感じました
(演技や声に詳しい方がみたらどう思うかは別として)

 

 

あと、そこそこのお年のディートハルト役の中田譲治さんですが、
こちらも変わらぬ――むしろさらに活き活きとした声に感じました。

TV版当時の視聴していた印象としては、
ローラーに脱出装置つき、変わった武装(ハーケン)と動力のメカ
が疾走感ありハイレベルなバトルをするのと、
ルルーシュの戦術モノとしての側面、
それに現実のシビアな面、残酷な世界をこれでもかと描いている
ことが印象的な作品でした。

 

 

それが今の知識や感性、読解力で見ると、
ジェレミアなどを筆頭に優越意識が強い自尊心オバケな人物が多く、
しいたげられ劣等感や妬み、ひがみ、反骨といったネガな感情を抱く傾向にある
弱い立場の人間たちの対比が克明に描かれている構成で、
これは表題の『反対で逆』が描かれていると感じました。

 

 

この要素のように、本作は『反対で逆』の対局に位置する立場や思想、
信念などが様々に描かれている作品だと改めて感じました。
当時は考えなかったのですが、それで『反逆のルルーシュ』なのだと
今頃わかるとーしろぶりです。

 

 

ルルーシュの力によって(強引に)ルールに従わせることで
世界をわが意のままに変えていこうとする在り方と、
スザクのルールを守る正しさによって、人を助けることで
世界を良い方向に変えていこうする在り方と。
強者と弱者。支配者と支配される者。
それに、ルルーシュと皇帝シャルルという対立が、
名前も少しスペルを変えて反転(反逆)になっているのに
今頃気づきました(苦笑)

 

 

ほかに、CCの「雪がなぜ白いか知っているか~」
のくだりは、長い時間を生きてきた存在であることを詩的に
端的に表現していて、今思うと味わい深いです。
自分がもともとどんな色の人間だったのか、
忘れてしまうほど色々な経験をするくらいに長い時を生きたのだ、と。

 

 

他にも、ルルーシュがナナリーの手をとって、
「嘘をつかないよ」と言っているとき、
彼の心をナナリーは実際、どのていど分かっていたのか?
隠し事をしている、ということや、
実は嘘をついている、ということは察して、
でも心配だけど兄を信じて(かつ、自分の身体でできることなどないから)
黙っていたのか?
ルルーシュはナナリーを完璧に騙せていたのか?
などといったことが視聴していて気になりました。
実際は、グレーだったのではと想像します。
ナナリーの心の美しさでは
お兄さまがまさか悪いことをしているとは想像しないかもしれませんが、
何か自分に黙って、隠している感じはする、みたいな。

 


端折りで気になった点が、
前半の個人的に好きなセリフ、
「戦略が戦術に~」
やカレンの輻射波動をぶちかますときの
「はじけろヴリタニアッ!」
は聴きたかったですね。

 

 

それとTV版はCCのストーカーがいたような……
あのキャラ、デザインが個人的に気持ち悪くていいイメージがないのですが……。
でも、TV版はあのキャラの出来事を通して
ルルとCCの絆が深まったんじゃなかったでしたっけ?

などなど……。

 

 

ラストは最愛の妹にして生きる意味のナナリーを採るか、
親友のスザクを採るかでのルルーシュの葛藤と涙で次章へ。

ここで、ギアスのない右目だけから涙がながれていることの悲劇。
人を意思や大切なモノをねじまげて強引に従わせる異能の強大な力は、
ルルーシュの人間らさしの一部を確実に失わせているのです。
ギアスの目はルルに人間らしく涙もながさせない。
この葛藤と涙からの次章、ルルーシュはスザクに対して、
世界に対してどう動くのか?
そんなかんじで『コードギアスⅠ興道』でした。

 

 

人によって色々意見はあると思いますが、
自分は本作、かなり楽しんで鑑賞できました。

 

ではまた『コードギアスⅡ 叛道』の感想で。