1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「9月の趣味読書感想まとめ~余モノの坊ちゃんといわれても心の持ち方は荒野のラン~」

暑かったり涼しかったり、少しずつ秋めいてきましたね。

今は台風が接近していて、今週末は各種イベントがキャンセルだったり

てんやわんやの規模のようです。

というのも、今日これを書いている時点でニュースになっていましたが、

地球最大規模の台風なようで、

昨年も被害が大きかったですが、今回はそれ以上ということで、

うーん、低気圧の影響で自分も体調が心配です。

みなさまもお出掛けや週末をゆっくりするうえでの体調など、

お気を付けくださいまし。

 

そんな近況ですが、先月の読書感想まとめを今月もまいります。

 

9月に読んだ本

 

 余物語 西尾維新

 いまさら翼といわれても 米澤穂信

 坊ちゃん 夏目漱石

 心の持ち方 《完全版》 ジェリー・ミンチントン

 読書という荒野 見城徹

 スティール・ボール・ラン 18巻 荒木飛呂彦

 

先月から読み続けていた本も含めて、割と読めた月でした。

読書の秋というか、夜に静かで読書が集中できましたね。

 

では、感想をいきます。

これは、読書メーターに投稿したモノの長文ver.になります。

 

 

 

余物語 西尾維新

 

 大学生編、今回は

斧乃木ちゃんと阿良々木くんのバディで謎を追っていくお話。

 斧乃木ちゃん、月火のせいでドレスチェンジしていて

映像化が楽しみです。

 今回の怪異はまたマイナーどころかな? 

と思っていたら、

一旦木綿とかの例があるように結構メジャーでした。

しかし、その怪異の発生の理由がまた西尾先生独特というか。

前作宵物語にしても、

化物語のベースであるドメスティックな抑圧が題材にされていて、

セカンドシーズンに慣れいていたので

ちょっとしんどいモノがありますが、しかし相変わらず読ませる文章です。

 あと、自分の触れた西尾作品では久しぶりに珍しい単語が多い本でした。

 そして、羽川さんと撫子ちゃんの出番もありで、

社会人編へのそれぞれのキャラの変化も少しずつ描いていますね。

撫子のエピソードで出てきた洗人 (あらうんど) なる存在が、

本シーズンにどうかかわるのか……

さてさて続きが気になる物語だ。

 

 

いまさら翼といわれても 米澤穂信

 

 古典部シリーズ第6弾。

短編集の形で奉太郎たちの2年生が描かれる。

 摩耶花成分多目。

というか、各キャラの掘り下げ強。

彼女の漫画の昭和趣味の理由や、

正義のタロットに見合う性格などが丁寧に描かれています。

摩耶花、口はキツイけれど里志の言うようにイイ子だし

カワイイところもある。

里志もだが今巻で一気に好感度があがったキャラでもある。

 長い休日では奉太郎のモットーの由来が語られ、

表題の翼と~は、えるの環境の変化が描かれる。

これによって、奉太郎の長い休日を終わらせる誰かがいたとして、

その誰かと一緒にいる選択を彼は出来るのか? 

という問題への一つの障害が排除された感もあります。

これで奉太郎が踏み切らないでビターな方に行ったら、

それはもう彼の意気地のなさか……

それとも二転してえるの方に何かしらがまた起こるか……

今後の古典部メンバーの動向も、私、気になります!

 

 この度は、京都アニメーションの痛ましい事件がありました。

 その点でも、今後の本作に少しでも穂の実りがあることを祈ります。

日常のミステリーって、

えるのような感性を持っている本格ミステリーきつい勢には貴重なので。

 

 

坊ちゃん 夏目漱石

 

 言わずと知れた文豪、夏目漱石の中編小説。

 実は今回初めてまともに読みました。お恥ずかしながら。

 

 荒っぽい江戸っ子の青年が、

東京から四国の学校に数学教師として赴任し、

学校などの人間関係と格闘するといったお話。

 上っ面の理屈で他者をやりこめてくる狡賢い人間というのは

世間に昔からいて、

真っ直ぐさと威勢の良さがとりえの主人公は

そういう人間とうまくやり合えず折り合いもつけられず、

最終的に教師としての職を離れ東京に戻る。

 

この筋は見方によっては、

直情的で愚かであることは

今も昔も世間でのモノゴトをままならなくさせ、

生き辛くなる原因であるという

一面の社会の実情を描いているのかも。

 この作品は見ようによっては、

うまくやれないと教師という立場ある職を追われ、

地元に逃げ帰って半分くらいの給料で

工夫をやるハメになるから気を付けろ、

という教訓とともに、

生来の気性のままに全力で場の淀みである人間に立ち向かう

清々しさへの作者の憧れを感じさせる。

実際、解説のなかの漱石の手紙には 

『主人公や山あらしのような人間を愛する』 

とあるが、漱石自身がそう振る舞えていたかは別なのである、と思う。

 

 しかし、そういう気性があり、

世の中の不誠実な輩への憤りはあったからこそ

――それに迎合し切らない反骨精神があったからこそ、

一人称の何かと反発してみせる

主人公のべらんめえな語りも生まれたのだと思える。

 敵側に対しては一応、

中盤までは結構やり込められていたが、

終盤で2度に渡り反撃を加えているので

ヒーローとしては良かったが、

現代的に見るともっとうまく立ち回れるような成長をして、

職場を改善したりして仕事を継続する方が好まれると思われる。

 その点は、当時のまかり通らないモノは通らないという

権威や学識との格差が今よりも酷く、

現代ならある程度は勉強と工夫の努力とで覆る状況も、

当時はままならなかったという実情を読み取れる気がした。

そういう意味では、時代は変わったのだろうし、

今は少しはマシになっていると言えるのかもしれない。

 

書かれた時代から一世紀以上、

それだけの時間のながれを感じる読書体験だった。

 

 

心の持ち方 《完全版》 ジェリー・ミンチントン

 

 アメリカの著述家、

ジェリー・ミンチントンのせいを良くする考え方の本。

子供の頃から親や教師などの力ある権威者たちや、

そうした考え方の人たちが多い環境によって植えつけられた、

比較することによって自分を低く見積もる癖や、

そこから自分はダメな人間だと思う自尊心を損なうことの問題点など、

多くの人が知らず知らずのうちに嵌っている

気持ちが沈む考え方の癖に対して、そこから抜け出す考え方を紹介。

 自分も身に覚えがあることや、

実践している考え方、

これはその通りとうなずける項目も多かった。

 

中でも、

『人の言っていることが必ずしも自分に向けられていないのに

自分のことを言っていると思って傷つくこと』 

や、

『人の悪口を言うのはその人の自尊心が低いから。

嘲りを真に受けない』、

『目標は、自分の意志でそれを選んだか、

社会的なプレッシャーからそれを選んだか自分に問う』、

『自分の心の中にいる自分をけなし、

足を引っ張る批判者には反論する』 

などが大切な考え方として認識できた。

 

何かうまく行っていない、

という感覚がある人は一読してみると

学べることがあるかもしれません。

 

 

 

読書という荒野 見城徹

 

 幻冬舎を立ち上げた現取締役の見城徹さん。

五木寛之村上春樹などを担当し、

24年間で23冊ものミリオンセラーを送り出した自らの半生と

人生を切り拓くためには読書が必要である、

ということを語った本。

 五木寛之石原慎太郎大江健三郎村上龍

山田詠美尾崎豊などとの交流の様子が語られるので

一読の価値ありかも 

(その作家について詳しいと

もしかしたら既に知っていることだったりもするかもだが)

 著者の自らを振り返った遍歴の書ともいえるが、

読書を支えに武器にして生を切り拓いた人間の生に触れる意味で

意義ある本だと思う。

 

 

 

スティール・ボール・ラン 18巻 荒木飛呂彦

 

 大統領のスタンドの謎の追及をするディエゴとウェカピポ。

その謎を解き、一時的に退けることに成功するも、

大統領による全取りが完了。

そもそも、大統領は遺体を回収できたから退いただけで、

まともに考えたらこの能力に誰も勝ち目などない気もする。

 しかしジョニィは自分の境遇から

遺体を手にしてあがっていきたいと訴え、

ジャイロは大統領の能力に対抗する可能性として、

人馬による未知の回転を教える。

ジョニィのスタンド成長の前フリと大統領との決戦の予感。

 一方、ルーシーは能力が発現。

館から脱出するも

どこかから聞こえる声に導かれ辿り着いた先には……

またお前か。

移動も自在なのかこの能力は、という感じです。

しかしあっちもこっちも手を出して、

大統領はこんな面でもご多忙な方だ。

 

 

 

以上です。

さて、今年ももうあと3か月ですね。

なので、今年の読みたい本と読了目標をいくつか掲げておきます。

 

ジョジョ7部SBR最終巻まで。

あと6冊。なので月2冊ペースで。

②吉川栄治・宮本武蔵

あと2冊くらい(七)までは読みたい。

年始に(八)読みシリーズ制覇くらいの塩梅で。

③新約とあるを読み進める。

 

そんな訳で、台風は来ていますが、なんとか日々を務めていきまっしょい!

ではまた~^^