1046ワークス24口

とーしろさんの趣味よもやま話の通用口。

「ガンダムユニコーン、超遅ればせながら視聴完走~の感想!」

というあれで、

機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096

を今頃になって視聴しました。

いや、テレビ版でさえ2016年放送だというのに、

ほんとうそれでガンダムファンというとんちきっぷりです(汗

しかし、どうも敬遠していたのですが、

実際意を決して視てみるとぐいぐい視れて面白く、

大変楽しめて充実した視聴でした。

なので、その感想を少し書きたいと思います。

平和と相互理解の希求としてのガンダムという物語。

戦争と平和、相互理解という理想。

宇宙に適応して人同士が分かり合える=相互理解が出来るようになる新人類の出現、

そこから為す平和。

アインシュタインの言葉にも、

『暴力によって平和を実現することはできません。

平和は相互理解によってのみ実現できるのです』

という言葉があるように、

ガンダムはそれを出来るようになる人類の進歩と可能性を、

自己の利益のために他者を傷つける戦争を繰り返すことの愚と、

そうした人類の愚かさも踏まえて描いていると自分は愚孝しております。

本作ユニコーンは、

その理想を追及するうえで突きあたる現実的困難に対して、

現実と折り合いをつけるために見切る大人と、

それでもと手を伸ばし続け

理想というより良き可能性を求める人間の

意思と策謀の衝突であったともいえる作品に思えました。

フロンタルはニュータイプ(以下NT)の意識の広がりの先に

色即是空の悟りに至ってしまったシャアということかと読み取れました。

色即是空は、すべてはいずれ失われるからむなしい、という理解で

そういう風にNTと人類の限界、無意味さを感じた彼は

理想よりも現実的に現状のスペースノイドの待遇改善の体現者になったわけだ。

しかし、現実を採る大人のフロンタルと

むなしさよりも生きているうえでのより良い善という理想を選ぶ子供たち

バナージとミネバでは、

サイアムは人類の進歩、願いのために箱を後者に託した。

その気持ちも分かります。

思うに、

自分の代だけで全てを好転出来るほど人は万能じゃない。

フロンタルおよびシャアは有能な故に性急に自分の代で済ませようというスタンスだった

(いや、1年戦争以降の変遷や責任もあっただろうし、

公国崩壊後宇宙民とNTについてのんびりもしていられなかった事情もある)

サイアムは時代の寵児や指導者、革命家としての一個の能力よりも、

自分たちの代までで培った全てを子に託し、

それが連綿と続いていく中でゆるやかに

少しずつより良くなっていくのが命と希望の連なりと考え、

それに価値を見い出し子供達の方に

箱とそれが解放された未来を託したとも言える。

今の代で平和や相互理解が出来なくても、

見切りをつけずに少しずつより良くなっていくように、

世界と次代の担い手達に希望を託して。

――全ては子に託せ。そこに新たな道が拓けよう。失われた命が報われる日もこよう。

中平正彦先生の作品で豪鬼が口にしていたのがリフレインします。

たとえそれがいずれは失われるモノであるとしても、

生きて明日を営んでいく子らがより良くあるために。

アニメ機動戦士ガンダムという存在も箱のようなモノ。

戦争と人間の愚かさと相互理解の理想と希望を、

シリーズのバトンを継ぐことで次の世代に繋いでいくことに意味があると思う。

悪い意味じゃなくて自然な話、富野さんもいつかは逝くんだから。

宇宙世紀を富野さん以外の他の人が描いたのもそういう願いを感じます。

そう思わされた可能性に満ちたガンダム作品だった。

まあ、ラストからして箱が開かれてまた悶着あるでしょうが……

それも少しずつより良くしていければ、という過程なのだと思う。

そこに、ガンダムに乗り彼らなりに戦う少年がいて、

その姿に視聴者は少しずつ光になるモノを受けて意思と行動を変えていく。

それが、どこかの誰かのより良い明日に少しでも変わっていければ、

数多の光が集った虹の彼方に、

分かり合えた理想を手にした人類がいるかもしれない。

その道を、少しずつ皆で歩いているのだ。

そんな本作ユニコーン、面白かった。

良質のアニメ作品、だがこれはいちフィクション、

今は神話でもない。

しかし、人の希望と可能性を描いた確かな連綿たる時代の一時。

つまりは、そういうことなのさ。

と、そんな風にまとめたいと思います。

ps.モビルスーツではラスト付近のネェルアーガマと袖付きの戦闘で、

ネェルアーガマ上で二機に挟まれながらスパイクシールドで格闘していた

ジオン系の青っぽいヤツが輝いて見えました( •̀∀•́ ) ✧

あと、ジンネマンはいかついが本作の癒し。

彼がいることでどれだけの人が救われたか……。

さて、今年はガンダム40周年。

今回の視聴で調子出たので、次はジオリジンを見て行くかな~。